WindowsCE DevCon99編 CEを支える新技術

Intel Persistent Storage Manager
Software for FlashMemory

1999年06月14日版 (Update)

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WindowsCE Developers Conference の直前 6月4日、Intel社から、「Persistent Storage Manager Software for FlashMemory」という技術が発表された。

この技術は果たして、WindowsCE に何をもたらしてくれる技術なのか?

ここでは概要を追ってみよう。

■ WindowsCEの泣き所 = バックアップ電池

 あまり使わないまま放っておいた WindowsCE マシンの電源を入れると、電源が入らない。あ、バッテリ切れか、と電池を入れ替えて、電源を ON してみると「!、中身が消えている!!」というような体験をされた方もいると思う。

 BBSでも何人か犠牲者の方がいらっしゃるように、WindowsCE の泣き所のひとつは、常にバッテリと、バックアップ電池 (内蔵タイプのものもあるが基本的にすべての WindowsCE マシンはバックアップ電池を持っているはずだ) が必要なことだ。

 たとえ、電源をオフにしても、メモリの内容を保護するために常に微細な電流を流しつづけてやらなければならない。

 中には、

 「文書はすべてコンパクトフラッシュカードに記録しているから、別に構わないよ」

という人もいるだろう。

 しかし、その場合でも、レジストリの内容は、メモリの内容が消えるとともに消し飛んでしまうから、もう一度所有者情報などを入れなおさなくてはならないし、もう一度 PC とのパートナーシップを結び直してやらなくてはいけない。

 このように、WindowsCE では、レジストリが本体メモリ上に格納されているため、常にバックアップ電池が必要だった。

■ すべてを FlashMemory に格納すればよい

 さて、こうした問題を解決するために、今回インテル社が提案したのが「Intel Persistent Storage Manager Software for FlashMemory」という技術だ。

 具体的には、H/PC や P/PC を構築するために利用する ROM, DRAM の内容を、インテルが提供する 32MB - 128MB の FlashMemory チップに格納してしまおうというものだ。こう書くと非常に単純だが、FlashMemory は、WindowsCE OS からみた場合に ROM としても振舞う必要があるし、RAM としても動作する必要がある。1つのチップの中を論理的に分割して利用するような管理ソフトウエアもセットになっているところが、今回の技術の根幹の部分だ。

インテル社によれば、ROM, DRAM をすべて FlashMemory にまとめることで、省スペース化と、省電力化が図れるらしい。ただし、筆者はこのあたりの事情に詳しくないので、これ以上の解説は控えようと思う。

 もちろん、すべてを FlashMemory に組みこむ必要があるわけではない。例えば、最低限 Registry だけをバックアップするということも可能だろう。こうした場合には、WindowsCE OS が起動する前に、FlashMemory の内容を DRAM に書き戻してやる必要がある。

 こうした処理をインテルは、pre-OS registry restore function と呼んでおり、OS のブート前の OAL (OEM Adaptation Layer) の起動中に処理をレジストリの復元処理を行うことで、OS にはまったく手を入れずに、レジストリ・リストアを実現している。

■ 産業用途や、AutoPC では重要な技術

 ここまで読んでくれた方々は、

 「どうしてそこまでバックアップ電池にこだわる必要があるのか」

という感想を持たれるのではないかと思う。

 ところが、今後 WindowsCE が産業向けや組み込み機器向けに進出していくときに、このレジストリをバックアップ電池で保護する方式は大きなボトルネックになる可能性がある。たとえば、非常に分かりやすい例では、AutoPC がある。1ヶ月ぶりに車を運転しようと思ったら、AutoPC がバッテリを食いつぶしていたり、そうしなくても、AutoPC が初期状態戻ってしまっていたらどうだろう? そんなもの使い物にならない。

 あるいは、工場で利用するロボットの中に入っているバックアップ電池が切れてしまったら? こうした事例を考えていくと、今回の インテル社の発表の重要性が見えてくる。

■ 極めつけはライセンス方式

 さて、この技術のライセンス提供方法がまた凝っている。

 インテル社では、インテル製の Intel Strata FlashMemory を採用した場合には、この技術のライセンス料は無料であるとしている。さらに、この FlashMemory を利用した開発を行う際に、StrongARM プラットフォームを利用していれば、開発キットはたったの $99 なのである。

 要は、こうした技術をてこに、自社の StrongARM CPU と Strata FlashMemory の販売促進も行ってしまおうというわけである。

 今後、この技術がどこの企業に採用されていくか考えるだけでも面白い。


StrongARM を売り出す
Intel 社

■ 補足

 なお、この技術は WindowsCE OS 2.1 以降で利用することが出来る。

 どういった形で、われわれユーザーが出会うかは分からないが、ひとつの新しい技術として興味のある方は、記憶の隅に留めておかれるとよいこともあるかもしれない。(^_^)

Intel 社のブースの端にあった Persistent
Stroage Management のパネル


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■ 更新状況

  • 1999/06/14 (月) 写真を追加
  • 1999/06/11 (金) 作成

Written by けいたん

(C)1999 Windows CE FAN

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