WindowsCE.NET開発者向けセミナー(2) メディアネットワーク対応機器開発の実際

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2002年12月24日(火)版

WindowsCE.NET開発者向けセミナー(2) メディアネットワーク対応機器開発の実際

あなたもWindows CE.NET業界に潜入してみよう


■はじめに

 今回は用語の説明ばかりになってしまいますが、第1回に出てきた聞きなれない用語について整理してみましょう。

■BSP(Board Support Package)

 目的の開発評価ボードでWindowsCE.NETを動作させるために、実装・準備されているブートローダやデバイスドライバ等のソフトウェアパッケージのことです。
 Platform BuilderにBSPをセットアップして用いれば、目的の評価ボード用のWindowsCE.NET OSを短時間で構築することができます。CPUが同じでも全く新規にボードを開発する場合、当然ながらBSPは存在しないので、最悪の場合すべてを自力で作成しなければならないこともありえます。WindowsCEの移植で一番難しいとされているのがHAL(Hardware Abstruction Layer)とデバイスドライバとよく言われています。 
 ソースコードが公開されていると、そのような場合にも大変参考となる情報源となります。

■FPGAソースコード

 時代が進み、電子回路はPLD(Programable Logic Device)というプログラミング可能な論理回路デバイスを用いて開発が可能になりました。
 ソフトウェアをC言語でプログラムするのと同様に、回路の働きを言語で記述し、それをコンパイラで書き込み用データに変換して、PLDに書き込んだり、ダウンロードして使用します。
 回路の規模に応じて、PAL(Programable Array Logic)、GAL(Gate Array Logic)や大規模のFPGA(Field Prgramble Gate Array)と種類がいくつかあります。

 WindowsCE.NET向けにも各メーカごとに開発評価ボード、リファレンスボードというものがありますが、それらにも必ずといってよいほど搭載されています。
 組み込み機器メーカで開発したい機器がリファレンスボードの回路を応用・利用することが可能な場合に、FPGAのソースコードが公開されていると大変参考になります。

 FPGAは単一で、自分で設計したCPUを構成してみることまで実現可能な規模のもので、開発ツールも左の写真のように、一見ソフトウェア開発環境と見間違えるぐらい進歩しています。




■ガーバーデータ

 プリント基板製造は多くの場合基本的には、フィルムマスクやガラスマスク上に配線パターンを描き、これを感光剤を塗布した基板上に写真のように焼付け、不要な金属部分をエッチングして取り去る原理で製造されています。
 『ガーバーデータ』とは、このプリント基板製造の為に配線パターン形状を『ガーバーデータフォーマット』で記述したデータファイルの事です。たとえば1本直線パターンの一例を記述するとD90*D02*G01X0Y0*D01*G01X1000Y1000*のようになります。

 『ガーバーデータフォーマット』はプリント基板製造業界では事実上スタンダードになっています。メーカによっては独自の記述を規定している場合があり、幾分か方言のようなものがあります。また文字コードや区切り記号(前述の場合'*')も異なる場合があります。

 組み込み機器メーカで、開発したい機器がリファレンスボードの回路を再利用可能な場合でも、プリント基板は独自に作らなければならない場合があります。プリント基板のパターン設計には時間が意外にかかります。『CPUなどの動作周波数の高速化』により、パターンの引き回し方が悪いだけでうまく動作しないこともありえます。

 ガーバーデータが入手できると、パターンの引き回しを表示させて見てみる等、非常に参考になります。


■ソースコード付きモニタプログラム、そしてJTAG

 評価用ボードを購入してもプログラムが一切搭載されていなければ、電源を投入しても何もすることができません。
 大抵の評価ボードはシリアルポートにシリアルインタフェイス接続端末を接続し、電源を投入すれば、キーボードとキャラクタディスプレイを使って基本的な操作を行えるようになっています。メーカにより機能に多少違いはありますが、評価用ボードモニタプログラムとは、電源を投入した後にボードに搭載されているCPUや周辺デバイスを初期化し、シリアルインターフェイス入出力機能など必要最小限のセットアップを行うのもといえるでしょう。Windowsのコマンドプロンプトのようにキーボードからコマンドやパラメータを入力し操作するために、評価用ボードモニタプログラムは簡単なコマンドインタープリタを内臓しています。

 ソースコードが公開されていると、周辺デバイスの初期化方法を手っ取り早く知ることができるなど、大変参考になります。
 モニタプログラムのソースが公開されていると機能追加などしやすい等のメリットも考えられるのですが、実際には各メーカは高機能な開発支援システムを準備しており、その必要性は低くなっています。

 左の写真は日立製作所のE10Aというカードでインサーキットエミュレータと呼ばれる類の物です。このカードをノートパソコンにPCMCIAスロットに差込み、リファレンスボードの「JTAGコネクタ」に接続すると、WindowsCE.NETのプラットフォーム開発環境である「Platform Builder」からまるでWindowsアプリケーションをVisual Stduioでデバッグしているような感覚で、バイナリイメージをダウンロードしたりブレークポイントを設定してデバッグできる環境を実現できるようになっています。



WindowsCE.NET開発者向けセミナー(2) メディアネットワーク対応機器開発の実際


Reported by かっぴー


Last-modified: Sun, 24 May 2009 23:45:30 JST (3105d)