 ■ Windows Media 9 Series 登場! 先日、Pocket PC 2002にもバンドルされていることでお馴染みであろうマイクロソフト社のデジタルメディア技術、「Windows Media Technologies」の最新版、「Windows Media 9 Series」(以下WM9)の日本語版がリリースされた。残念ながらPocket PC端末向けの新しいソフトウェアのリリースはなかったため、WM9の新機能の全てをPocket PCが享受できるわけではないが、圧縮アルゴリズム(CODEC)の改良によって、以前より高品質な映像・音楽を楽しむことが可能になっている。 今回から2回にわたって、Windows Media 9 SeriesをPocket PCで利用するという観点から俯瞰してみよう! ※レビューに当たって、Pocket PC 2002端末としてNTT Docomo 「Musea」(Pocket PC 2002 Update Pack for musea Version 1.00適用済み)を用いた。Windows Media Player for Pocket PC のバージョンは8.5 Build 12188だ。 ■ Windows Media Player 9 まずはWindows Media Player 9をPCにダウンロードしよう! 従来と代わらず無償提供なのは嬉しい限りだ。(ダウンロードはこちらから) Windows Media Player 9は、単なるプレイヤーソフトに留まらず、様々な機能を内包しており、さながらデジタルメディアのステーション的な役割を果たしている。例えば、CDからの録音・エンコード(変換)機能や、再生デバイスへの転送機能を持っていため、音楽コンテンツをPocket PCで楽しむための準備はこれだけで事足りてしまう。(ビデオの場合は、次回ご紹介するWindows Media Encorderが必要)。 では、実際に手持ちのCDをPocketPCで楽しむことができるようになるまでの手順をご紹介しよう。  | 1:「CDから録音」→エンコードしたい曲を選んで→「音楽の録音」 |
|  | 2:エンコード中! ちなみに4分の曲で10秒ほどだった。 |
|  | 3:「デバイスへ転送」→Pocket PCを確認→「転送」! |
|  | 4:こちらも10秒もかからないうちに転送完了! |
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■ 圧縮方式の違い WM9の新しい機能として、音声のエンコーディングにいくつかのオプションができたことが挙げられる。 ◎Windows Media オーディオ
従来のWindows Media オーディオと同じく、ビットレート固定(CBR)のモードだ。
◎Windows Media オーディオ(可変ビットレート)
こちらはWM9から新たに実装された、可変ビットレート(VBR)のモード。圧縮の大変な部分と簡単な部分で圧縮率を柔軟に変更し、より効率のよく圧縮を行う方法。一般にCBR比した際に同じ音質でもファイルサイズを抑えることができる。
◎Windows Media オーディオ可逆圧縮
こちらも新機能で、こちらはCD音質をまったく損なわずに圧縮ができるというものであるが、残念ながらそのままポータブル デバイス(=Pocket PCもそう)に転送することはできず、転送時には Windows Media Player によって自動的に一般的なWindows Media オーディオ形式(上記)に変換されるようだ。
 | 転送画面での転送前に、自動的に変換される。 |
|  | CBRになっていることを確認! |
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■ 何でPocket PCでWM9のコンテンツが楽しめるの? ところで、冒頭にWM9のPocket PC向けソフトウェアのリリースが無かったと書いたが、それならば何故WM9のコンテンツをPocket PCで楽しむことができるのか、といった疑問があるかもしれない。その答えは「WM9とWM8は基本的に同一のデコードエンジンを使っている」からだ。 簡単に解説をすると、「エンコード」とは元のファイルをWindows Media Audio / Video形式なり、mp3形式なりに変換、圧縮をする作業のこと。対する「デコード」とは、圧縮されたファイルを端末が再生できる状態に「紐解く」作業のことをいう。要は「(WM9になって)箱に荷物をいれるやり方がうまくなったため、今までと同じように(WM8同様に)開封してもより綺麗に、より多くの中身を取り出せるようになった」、というわけだ。 そのため、Pocket PC 2002搭載のWindows Media Playerでも、WM9の恩恵に預かることができるのだ!  | VBRだが、もちろん聴くことができたぞ! |
参考までに、WM9で初めてサポートされたVBR形式でエンコードされたコンテンツをPockt PCで再生してみても、きちんとVBRとして認識されているし、当然何の問題も無く聴く事ができた。■ 思わぬ追加機能 また、Windows Media Player 9をインストールすると、PC上でメディアファイルを右クリックした際に「デバイスへ転送」という項目が追加される。いちいちダブルクリックしてWindows Media Playerを起動して、「デバイスへ転送」をクリックして… なんて面倒な動作いらずでPocket PCに転送ができてしまうのはウレシイ限り! 次回はビデオコンテンツのエンコード、転送に挑戦だ!
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