巨人同士。マイクロソフトとインテルが 共同で携帯電話市場へ参入? 実機も登場

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2003年2月19日(水)版

巨人同士。マイクロソフトとインテルが 共同で携帯電話市場へ参入? 実機も登場

The Microsoft Windows Embedded Developers Conference 2003 Japan

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Pocket PCの「Today」を思わせる画面。
単なるまねではなく、操作体系も
よく練られていると思う。

■ はじめに

 日本では、ADSLに代表されるブロードバンドインターネットのユーザーが600万人を超える今になっても、インターネットに常時接続的につなぎっぱなしになっている端末の数は、圧倒的に携帯電話の方が多い。インターネットに接続可能な携帯電話の数は、4,000万台と桁違いだ。
 パソコンの世界では圧倒的な寡占状態を作り出しながら、この携帯電話という市場で、すっかり日本企業の後塵を拝しているのが、マイクロソフトとインテルだ。インテルは、昨年、PXA210プロセッサで携帯電話市場へ参入を表明したが、具体的な製品はまだ登場していないようだ。一方のマイクロソフトも、「Windows Powered SmartPhone」を開発済みだが、市場での普及にはまだ時間がかかりそうだ。

ActiveSyncも当然可能。
ネットワーク越しにできる便利かも?

■ 携帯電話市場をパソコンと同じ構造にする?

 こうした背景の中で、インテルが考えているのが、携帯電話の世界にPCと同じ標準アーキテクチャの考え方を導入することだ。パソコンの世界で、インテルが成功したきっかけは、PC/ATというIBM製にCPUが採用されたこと。そして、そのアーキテクチャが広くオープンにされたことだと言われている。もちろん、その後の20年以上にわたる継続的な発展は、インテル自身の努力によるものだが、インテルというCPUの専業メーカーの成功に、最終形態であるパソコンを製造するメーカーの登場は欠かせない。

 そこで、インテルが考えたのが、携帯電話をパソコンと同じようなオープンなアーキテクチャに仕上げてしまうことだ。ただし、インテルのCPU PXAシリーズの利用が前提だ。後は、このアーキテクチャにのっとって、携帯電話を製造してくれる企業が増えれば、インテルも、その企業も、そして価格が下がればユーザーもハッピーというシナリオだ。

 そのアーキテクチャが「パーソナル・インターネット・クライアント・アーキテクチャ」こと略して「PCA」だ。

■ Windows Powered SmartPhone との組み合わせで PCAベースの携帯電話を展示

 インテルブースでは、このPCAベースのハードウェアと、マイクロソフトの「Windows Powered SmartPhone」を組み合わせて動いている実機を体験することができた。現状作成しているデバイスは、GSM/GPRSのみに対応しているため、日本での発売予定はないそうだ。しかし、肝心なサイズや待ち受け時間も、一般的な携帯電話と比べても遜色なく作られており、今後、携帯電話市場未参入のメーカーから、日本市場向けの製品を期待する声もでるかもしれない。

大きくて明るいのがIntel PCA。
比較は、N504iと。
電話そのものは結構分厚い。

 代表的なスペックはおおよそ下記のとおりだ。

・PXA262
 内蔵メモリ 256Mbit
・220 x 176カラー画面
・最大5時間の通話時間
・72時間の待ち受け時間

 また、リリースによれば、流行の内蔵カメラモジュールを追加できることもできるようだ。

プログラムのメニューリスト。
ここにないが Windows Media Player等も
呼び出すことが出来る。

■ 早い!快適操作のマルチメディア携帯電話

 体感した携帯電話の出来は想像以上だ。「Windows Powered SmartPhone」の操作性も、ドコモの N504i に慣れた筆者には少々癖が感じられたが、ものの3分程度で慣れてしまった。異本操作は、中央の黒い突起で行う。上下左右にカーソルを動かすことができる。そして、黒いボタンの上側左右にあるのがメニューの下に表示されている2つのアプリケーションボタンに該当する。画面ごとに違う昨日がアサインされることになる。そして、黒いボタンの下側左右は、固定のボタン。左が「Home」のボタンになっている。iモードに慣れた方にとってみれば、これが「i」ボタンということになると思うが、アプリケーションがこの下にすべて格納されているなど、利用頻度はより高そうだ。

 操作性さえ慣れてしまえば、高速性が素晴らしい。PXA262の性能も優れているのだろうが、どのアプリケーションもさくさく立ち上がる。おまけに、Windows Media も再生することが出来る。この点は、遅い携帯電話を使い慣れている私にとっては、インパクトが強かった。

 ちなみに、内蔵プログラムは、

  • Inbox/SMS
  • Contacts
  • Calendar
  • Internet Explorer
  • ActiveSync
  • Call History
  • MSN Messenger
  • Settings、他

となっている。

 ここには出ていないが、ちゃんと Windows Media Player で動画が再生されるのを見ることが出来た。現状のデモは、PXA262中のフラッシュに直接ビデオを焼きこんだデモということで、今後外部のメモリを使うのか?とか、どのように動画コンテンツを入手するかというような課題は残っている。

Windows Media Playerの再生画面
画面が小さいとはいえ、かなりきれいに
再生できるのは驚きがある。

キーは意外とすっきりして見える。
楕円形状に配置された6つのボタンと
中央の黒い突起が操作系。

■ インテルちゃっかり?

 PXA260シリーズには、128Mbitメモリ内蔵の PXA261と 256Mbitメモリ内蔵の PXA262が存在している。このうち、PXA262 を採用した積極的な理由は特にないとのこと。「Windows Powered SmartPhone」がメモリを食いすぎて、256Mbit(32MB)ないと動かないというような邪推は当たっていないようだ。

 一方で、ちゃっかりした面も感じられた。将来的に、PCAアーキテクチャの上で動くのは「Windows Powered SmartPhone」だけなのかというと、このアーキテクチャの上では、Linux でも何でも動くとの回答。日本で発売するとしたら、そちらの可能性の方が強いのではないかとのことだった。

 従来もともに成長してきた巨人同士の提携とはいえ、ビジネス面ではあくまでもドライな面が強く感じられた。

 いわゆるケータイ3キャリアが独占している日本の携帯電話市場だが、次の第4世代携帯電話は、無線LANベースとも、インターネット技術がベースとも言われており、従来の携帯電話のアーキテクチャが大きく変わる可能性もある。数年後に来るその変革期を捉えるために、インテル社、マイクロソフト社が共に力を注ぐとしたら、5年後すべての携帯電話は Windows で動いているかもしれないと感じさせる製品だった。



巨人同士。マイクロソフトとインテルが 共同で携帯電話市場へ参入? 実機も登場

Reported by けいたん


Last-modified: Sun, 24 May 2009 23:45:30 JST (3103d)