Windows Media 9 SeriesをPocket PCでも楽しもう! 第3回 〜オジリナルのプロファイルに挑戦!

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2003年3月3日(月)版

Windows Media 9 SeriesをPocket PCでも楽しもう! 第3回 〜オジリナルのプロファイルに挑戦!

Pocket PCにも搭載されているデジタルメディア技術


■ 自分用にプロファイルをカスタマイズだ!

 前回はWindows Media Encoder 9のキホン、エンコード方法についてご紹介したが、今回はその延長線上。自分用にエンコードのセッティング(プロファイルという)をカスタマイズする方法と、特にPocket PCでの視聴用にカスタマイズする際のパラメータについての注意点をご紹介しよう!

■ オジリナルプロファイルでエンコードしてみよう!


 ウィザードが立ち上がる場合は、今回はとりあえずキャンセル。Windows Media Encorder 9の基本画面に移ろう。まずは「プロパティ」をクリック、「セッションのプロパティ」を開き、「ソース」タブを選択だ。
 ここではエンコード元の素材を選択することとなる。例えばPCにカメラなどが接続されている場合、「デバイス」を選択、適宜設定を行うことによってリアルタイムな素材のエンコードも可能になるのだが、Pocket PC用途を考えた場合、PC上の既存のファイルを変換する場合が多いだろう。なので、「入力ソース」は「ファイル」を選択。「ファイル名」は言うまでもなく、エンコードしたいファイルのパスを入力だ。

 続いて「出力」タブを選択。ここでは、エンコードしたファイルをどうするかを設定することとなる。ここの設定次第ではWindows Media Encorder 9の目玉機能の一つである「配信サーバ」機能を実現することができるのだが、今回はPocket PCに書き出す方法をご紹介するため、「ファイルにエンコード」のみをチェックだ。
 ちなみに右下の「ファイルのインデックス作成」にチェックをいれておかないと、エンコード後のコンテンツの早送り・巻き戻しができなるのでご注意を!

 設定の最後は「圧縮」タブ。カスタマイズのキモはここの設定。今回はデフォルトで入っている「Pocket PC」という設定をカスタマイズしてみよう。と、いうことで「配信先」をプルダウンで「Pocket PC」を選択し、「編集」をクリックしていよいよ設定だ。

 「名前」や「説明」欄は、自由に埋めていただいてかまわない。肝心なのは「メディアの種類」という枠に囲まれた部分。この「モード」と「Codec」の組み合わせが、オリジナルプロファイル作成の重要な要素の一つだ。

 また他に「対象ビットレート」という項目があるが、これはエンコード後のコンテンツのビットレート目標値と考えていただければよいだろう。
 値自体はだいたいビデオのビットレート+オーディオのビットレートの合計値で決まるものだが(「だいたい」というのは、なぜか少し加算されたものになるから)、オーディオのビットレートは自由な値を入力できるわけではなく、あらかじめプリセットされたいくつかの値から選択することとなる。ビットレートの「内訳」は隣のタブ(この画面では「全般」タブ隣の「259kbps」タブ)で設定することができ、またそちらの設定次第で合計のビットレートも自動的に変更されるので、今回ここでは特に気にすることはないと思う。

 ちなみにこの「対象ビットレート」欄に複数の値を入れると、ストリームサーバから当該コンテンツ配信する際に、ネットワーク速度にあわせて、自動的にその複数の値から最適なビットレートを選択して再生するという「マルチビットレート」コンテンツとしてエンコードできるわけだが、今回はやはりあくまでもPocket PC上でのローカル再生を念頭においているため、割愛させていただくこととする。

 ちなみに「エクスポート」ボタンで、作成したプロファイルの保存も可能。逆に「インポート」で読み込みも可能なのは、改めてご説明するまでもないだろう!

 さて、次は「全般」タブ隣のビットレート値が表示されているタブを選択しよう。ここでより詳細なパラメータを設定することとなる。
 「オーディオ形式」で選択できるパラメータは、先ほど選択したCODECによって選択肢が決められる。たとえば5.1chオーディオのような特殊な形式は、「Windows Media Audio 9 Professional」CODECでないと選択できない。

 実はここで一点ご注意いただきたい点がある。それは、Windows Media Encoder 9にデフォルトで用意されている「Pocket PC」という名のプロファイルの設定値である「64kbps, 48kHz, stereo CBR」というパラメータは、なんと現状Pocket PC 2002端末では再生できないのだ。一度お試しいただければわかると思うが、画面はでるが音はならない、といった状態となる。いろいろ試験をするうちにわかったのは、Windows Media Player 8.5 for Pocket PCでは48kHz以上のオーディオは再生できないということ。44kHz以下の値にしてやれば問題なく再生できたわけだが、チョット焦ってしまった… 前回の記事でも、「CD音質オーディオ」ではなく、「音声品質オーディオ」を選択してやらないと音が鳴らないといった事象をご紹介したが、この問題の根源はこのパラメータによるもの。オリジナルのプロファイルを作成するにあたり、注意しなくてはならない点の一つだ!

 ウィンドウ中央部にはビデオのエンコードに関するさまざまなパラメータが並ぶ。このあたりはエンコード元のソースの特性等も考えながら(たとえば動きの激しいコンテンツの場合はフレームレートを上げる、等)是非いろいろいじってみていただきたい。「ビデオサイズ」に関してはWindows Media Player 8.5 for Pocket PCのノーマルモード 208×160、フルスクリーンモードなら320×240が最適だ。320×240以上のサイズでエンコードされたコンテンツでも、Pocket PC側の画面サイズに合わせてきちんと再生できるが、たとえば480×360というサイズでエンコードしてみると、再生負荷の大きさ故のコマ落ちがかなり目立つのに加え、画質もかなり悪くなり、全くよいことはない。PCとコンテンツファイルを共用するのであればともかく、Pocket PC向けにエンコードするというのであれば、最適なサイズをきちんと設定してやろう!


 設定が完了したら、「OK」→「適用」を押下し「エンコード開始」ボタンをクリック! これでカスタマイズしたプロファイルでのエンコードが開始されるぞ! 

■ 各CodecやパラメータのPocket PC 2002での対応状況は?

 様々なCodecやパラメータ設定が可能なWindows Media Encoder 9であるが、気になるのはPocket PC 2002での再生、そう、Windows Media Player 8.5 for Pocket PCでの対応状況だろう。そこで、いくつかテストコンテンツを用意して再生試験をおこなってみたので、結果を以下にご紹介する。
 ちなみに、VBRには「品質ベースVBR」「ビットレートVBR」「ビットレートVBR(ピーク)」といった選択肢があるが、これらはあくまでもビットレートの算出アルゴリズムの違いであり、再生の可否を左右するものではないと判断したため、今回は「ビットレートVBR」を選択してテストを行った。

◎ Video

Codec オプション

テスト結果

Windows Media Video 9 CBR ×
VBR ×
Windows Media Video 9 Screen CBR ×
VBR ×
Windows Media Video V8 CBR
VBR

◎ Audio

Codec オプション テスト結果
Windows Media Audio 9 Professional CBR ×
VBR ×
Windows Media Audio 9 Voice CBR ×
VBR ×
Windows Media Audio 9 CBR ○ ※ただし、サンプリング周波数は44kHz以下
VBR ○ ※ただし、サンプリング周波数は44kHz以下

 結果は、見ていただければ非常にわかりやすいと思うが、

・Windows Media Video 9 には非対応
・Windows Media Audio 9 には、標準モードのみ対応。ただし、サンプリング周波数は44kHz以下。

という結果となった。
一点興味深かったのは、たとえWindows Media Player 8.5 for Pocket PCで再生できないCodecであっても、プロパティを見てみると一応名前はきちんと認識しているということ。


これは、自分自身のエンコードに用いられたCodecの名称を、コンテンツがヘッダ部分か何かにそのまま持っているということなのだろうか? さしあたり問題にするようなことでもないのだが、個人的にちょっと気になったのでご紹介させていただいた。(Windows Media FormatのSDKなんかを除いてみれば、このあたりのカラクリは解けそうである)

■ 筆者的エンコードTips

 本記事を執筆するに当たり、様々なパラメータでのエンコード→Pocket PC上での再生試験を行ったのだが、その過程で筆者なりに気づいたこと、思ったことは次のような感じ。

・ビットレートが300kbpsを超えるとデコード(再生)負荷が高くなりすぎ、再生に支障をきたすことがある。やはり250kbps程度が適切である。
・画面サイズは320*240以上は必要ない。それ以上だと、コマ落ちや音ずれの問題がでてくる一方、同ビットレートで適切なサイズでエンコードした場合に比べ、ブロックノイズが目立ってくる。
・Pocket PCの画面で見る限りにおいては、CBRとVBRの違いはほとんど感じない。VBRは自動的に2passエンコードとなり、エンコードに時間がかかってしまうため、そういった意味でも通常はCBRのほうがよいだろう。
・オーディオに関しては、どうしても高音域の「軋み」が気になるという場合以外は、64kbps / 44kHz 以上のクオリティは必要ない。mp3の128kbpsと同程度の音質というのも、うなづける部分がある。

また皆様もいろいろ試された結果、気づいたこと、疑問点、オススメのテクニックなどあれば、ぜひ掲示板にてご紹介いただきたい!

※今回の記事執筆にあたり、検証端末としてはNTT Docomo「musea」を用いた※



Reported by きとぷん


Last-modified: Sun, 24 May 2009 23:45:30 JST (3830d)