ソニー CLIE「PEG-TG50」 第5回 上位機種 PEG-NX70Vと比べた使い勝手は?

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2003年3月21日(金)版

ソニー CLIE「PEG-TG50」 第5回 上位機種 PEG-NX70Vと比べた使い勝手は?

光るキーボードと高性能ビューワー Picsel Viewer for CLIEが人気のビジネス・クリエ

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■ はじめ

 普段 GENIO e550G を愛用している筆者だが、ここ3ヶ月くらい勉強を兼ねて「PEG-NX70V」もできるだけ使うようにしている。そこで、今回は「PEG-NX70V」と比べた「PEG-TG50」というものについて気がついた点をまとめてみよう。

ターンスタイルのPEG-NX70VとPEG-TG50
PEG-NX70Vの液晶パネルの大きさと
PEG-TG50はコンパクトさが引き立つ
ワイシャツのポケットに入れるときに大きく違う厚み
もちろん下が「PEG-TG50」

■ PEG-NX70Vとの違い

 PEG-NX70Vは回転する液晶パネルが特徴の「ウイングデザイン」を採用したクリエシリーズのハイエンドモデルだ。「PEG-NX70V」は30万画素のカメラ機能も内蔵している。まだ「PEG-TG50」を利用しはじめて1日しか経っていないので、まだまだ違いがあると思われるが、ここでは気がついた点を順に書いてみよう。

  1. 本体デザイン ウイングデザインの採用の有無
  2. 液晶パネルのサイズの違い
  3. カメラ機能の有無
  4. 本体重量・サイズ
  5. リモコン対応ヘッドホンの利用可否
  6. ハードウェア・アプリケーションボタン
  7. Bluetoothの有無
  8. 通信スロットの有無
  9. クレードルのサイズ
  10. REC(録音)機能

左側はPEG-NX70V。右側がPEG-TG50だ。
蓋を開いた概観サイズは大差ない。

■ 本体デザイン ウイングデザインの採用の有無

 外見上だれでも気がつくことだが、「PEG-TG50」ではハイエンドモデルのようなウイングデザインは採用されていない。ウイングモデルは、320 x 480 の大型液晶パネルをコンパクトにまとめるためのデザインなので、ミドルクラスの「PEG-TG50」に採用されていないのは当然ともいえる。しかし、「PEG-TG50」にも液晶パネル保護のカバーがついており、利用中、傍から見たらまったくように見える気がしなくもない。

■ 液晶パネルのサイズの違い

 使い勝手を左右する上で、大きく違うと思われるのが液晶パネルのサイズの違いだ。「PEG-TG50」では、ハイレゾ対応で「320 x 320」を実現しているが、「PEG-NX70V」ではさらに大きな「320 x 480」というサイズを実現している。「PEG-NX70V」の液晶パネルの下「320 x 160」部分はソフトウェア Graffitiエリアになっているのだが、Graffitiエリアが不要なユーザーは、この部分を目いっぱいアプリケーションで利用することができるのだ。メモ帳では同時に表示できる行数や文字数が増えるし、地図や、ホームページの閲覧等でも大きな効果がある。

 というわけで、「PEG-NX70V」を使っていて、「PEG-TG50」に移行すると何と言っても気になるのが画面サイズだ。体感上やはり小さい。まあ、2/3のサイズになるのだから、数字的にもその小ささ具合がわかってもらえるのではないかと思う。文字フォントなどは小さくしてもくっきり見やすい。このあたりは 320 x 320 というハイレゾのおかげだろう。一方アプリケーションによっては、160 x 160 というローレゾになってしまうのが、Palm系のマシンの不思議なところだ。ちなみに、かなり見苦しい。

 Pocket PC の場合は特殊なソフトウェアを利用しない限り「240 x 320」という解像度だ。GENIO e550Gの場合には、それで大きな不自由を感じていない。結局、アプリケーションがどのように解像度を活かしているかこそが問題なのかもしれない。

■ カメラ機能の有無

 「PEG-TG50」にはカメラは内蔵されていない。カメラ付の携帯電話が 1,000万台を超えている今、PDAにカメラが内蔵されている意味がどのくらいあるのか分からないが、筆者の場合はカメラ付き携帯電話を持っていないこともあり、PEG-NX70Vのカメラ機能をそれなりに使っていた。購入後から、現在までの撮影枚数は、約 400枚。撮影頻度は、月に3回〜4回程度だ。わずか 200g のデジカメすら持ち運ぶのが面倒な筆者の場合、メモ帳にもなって、スケジュールが分かって、おまけでデジカメがついている「PEG-NX70V」は、その意味でメモ用の写真を撮るのに最適のマシンだったようだ。主に家族や友達に写真付きのメールを送るのに利用している。

 また、取材中にデジカメのバッテリが全部なくなってしまって、PEG-NX70Vを使って撮影したこともあった。画質は最近のデジカメと比べたらまるでおもちゃだが、それでも何も撮影できないよりはいい。

 写真付きの絵日記をつけたいとか、プライベートなメールを交換しているような人で、カメラつき携帯電話を持っていないなら、このカメラ機能は差額の2万円以上の仕事をしてくれるのではないだろうか。また、レストランの中や、PCショップの中など、デジカメを取り出しただけで嫌がられたり、止めさせられたりする場所でも、PDAだと割と撮影しやすいのも隠れたポイントだったりする。

■ 本体重量・サイズ

 「PEG-NX70V」の約220gに比べると、「PEG-TG50」の184g は、十分軽量に感じる、はずなのだが、実際に持ってみると、「PEG-TG50」の方が重たく感じるから不思議だ。もちろん、目をつぶって持ってみれば、「PEG-TG50」の方がもちろん軽いのだが、サイズが小さくて、明るいイメージで軽く感じる分、実際に持ったときに重量感があるようだ。

 しかし並べてみれば分かるとおり、コンパクトで、胸ポケットにも無理なく入るのは「PEG-TG50」の方だ。ビジネスシーンでは、「PEG-TG50」の方がスマートといえる。

ヘッドホン端子は、ミニジャックのみ。
リモコン機能は使えない。

■ リモコン対応ヘッドホンの利用可否

 「PEG-TG50」は音楽再生用のリモコンに対応しない。本体を鞄に放り込みたくなる「PEG-NX70V」ではリモコンが便利に活躍するが、胸ポケットに無理なく入る「PEG-TG50」の場合は、それも不要なのかもしれない。「PEG-TG50」は、ヘッドホン端子も本体上部にあり、胸ポケットに入れるときに邪魔にならない。反面、ヘッドホンを引っ張ったときに抜けやすい気もするので、くれぐれ音量には注意しよう。電車の中で大きな音で音楽が流れ始めたら結構ヒンシュクだ。(^^;

■ ハードウェア・アプリケーションボタン

 「PEG-TG50」はキーボードの側にアプリケーションボタンがある。「PEG-NX70V」ではまったくといっていいほど使わなかったアプリケーションボタンが、「PEG-TG50」では使いやすい位置にあってなかなかグーである。

 また「Home」に相当するボタンがあるのがいい。これは、CLIEの標準ランチャーを表示する機能で従来ならば、Graffitiエリアの左端にあったものだ。また、「PEG-NX70V」では、Graffitiエリアを小さくしても最下行に常にアイコンで表示されていた。Palmの場合に限らず、PDAでは、ランチャーを呼び出す機能はよく利用する機能だ。「PEG-NX70V」では、Graffitiエリアを最小化しているときには指で押しにくいものがあったが、「PEG-TG50」はボタンになっているため押しやすい。キーボードに近い位置にあるので、アプリケーションの切り替えも容易になっている点が見逃せない。

写真上部の左右の丸いボタンがGraffitiエリアの
名残。左が「Home」。右が「GraffitiエリアのON/OFF」。

 余談だが、「PEG-NX70V」等と同様に、キーボードショートカットも使いやすい。もっと自由にアプリケーションの起動を割り当てられれば、Ctrl + 15個以上のアプリケーションを呼び出せるわけで、使い勝手の向上にも大きく貢献することだろう。(そういうアプリケーションは存在するのかも知りませんが、探していないのでよく分かっていない)

■ Bluetoothの有無

 「PEG-TG50」では通信スロットがない代わりに、Bluetooth機能が内蔵されている。これまで実売4万円以下のマシンに Bluetoothが内蔵されているのはNTTドコモのPHSくらいなので、結構驚きだ。また、同社のデジカメ「DSC-FX77」を利用していれば、Bluetoothで遠隔操作を行うことも可能なようだ。

 同社のノートパソコン「VAIO」シリーズ等を持っていないユーザーには不要な機能かもしれないが、今後対応機器も増えていくはずで、期待の持てる機能でもある。

■ 通信スロットの有無

 「PEG-NX70V/60」等のハイエンドモデルには、CFに対応した通信スロットが用意されている。CFなのに通信スロットといっているわけは、このスロットに対応した機器用のドライバが極端に少ないためだ。NTTドコモのCF型通信カードや、AirH''などは機種限定で対応し、無線LANカードは、ソニーの純正品が1種類対応するだけだ。その他、モデムカードなども1〜2種類と、合計で 10種類存在しない。最近サードパーティ製のCFメモリカードドライバが開発中のようだが、現時点では CFメモリカードの読み取りもできない。

 だから、CF通信スロットはあってもなくても大して代わりがないようだが、「PEG-TG50」では、その選択肢はもっと狭められる。使い勝手が悪いのを承知で、通信ケーブルを利用するか、本体と同程度の大きさのある通信カードアダプターを背負うか、Bluetooth機能に対応したPHS電話を利用するしかない。逆に言えば、Bluetoothに対応した通信機器を持っている場合、「PEG-TG50」の通信機能は、ハイエンドの「PEG-NX70V」等より優れていると言えるかもしれない。

 いずれにせよ、クリエの通信機能(広い意味でのインターネット機能) は、CFタイプの周辺機器のほとんどを利用可能な Pocket PC では考えられないほど弱い。メールや、インターネットのホームページを広く表示することのできるクリエシリーズだけに、残念な点と言えそうだ。

写真右の「PEG-TG50」用は、
狭い机の上でもOKな小型のクレードル

■ クレードルのサイズ

 先のレビューにも書いたが、「PEG-TG50」のクレードルは、コンパクトだ。日本の狭いオフィス机の上にも十分設置することができるため、使い勝手はいい。クレードルの上への設置は軽くカチッという感触があるため確実にセットできるし、取り外しはほとんど抵抗なく外すことができる。こうした点は、まさにソニーというメーカーのメカの勝利という気がするほど優秀だ。

■ REC(録音)機能

 「PEG-TG50」では「REC(録音)ボタン」が本体左側に独立して付属する。「PEG-NX70V」の「Captureボタン(撮影ボタン)」がそうであったように、これを押すことで、いきなりボイスレコーダーが起動し、録音が始まる。ワンタッチで、録音が開始するため、ボイスレコーダーとしての使い勝手も悪くない。ボイスレコーダー専用機との違いとしては、「PEG-TG50」に限らず CLIE の場合、Palm OS5を採用したため、本体のメモリ量が 16MB と小さいことが挙げられる。このため、デフォルトでは、5秒間の録音しかできない。説明書によると「目覚ましアラーム用」の録音機能だそうで、がっかりする。もっとも、この点は、ボイスレコーダの設定を変えたり、メモリースティックを併用することで「無制限」時間の録音も可能だ。

 「PEG-NX70V」等のボイスレコーダーに比べると、マイクの感度を変更する機能も充実している。「SP」「LP」を切り替えることができる「録音モード」の他に、「PEG-TG50」からの機能として「口述(Low)」と「会議(High)」を切り替える「マイク感度」の機能が付いたのが新しい。この機能の効果はまた別途調査してみることとしたいが、まずは、静かな室内では離れたところの声も比較的聞き取りやすかったことをコメントしておく。

本体左面のボタン一発で駆動できる
ボイス録音機能。駆動後すぐに録音が
始まるので思いつきのメモには最適。

■ まとめ

 「PEG-TG50」は、カメラつきのハイエンド機「PEG-NX70V」と比較すると、実売価格でちょうど2万円安価である。この2万円のうち、大きな差は、320 x 160 分の差がある液晶表示エリアと、30万画素でスナップ気分で使えるカメラ機能だ。筆者の場合は、「PEG-NX70V」のカメラが使ってみると意外に便利だったことで、2万円の差があっても「PEG-NX70V」を押したいところ。一方で、カメラ付携帯電話を利用したり、「サイバーショットU」などの小型カメラを持ち歩いているユーザーにとっては、液晶サイズや、通信スロットの差だけで2万円の差というのは「PEG-NX70V」を選ぶ理由にはなりにくいのではないか。

 CPU や本体メモリはハイエンド機と同じと言う「PEG-TG50」は、それだけ高機能なPDAに仕上がっていると思う。今回のレビューでは、「Document to Go」 vs 「Picsel Viewer」といったバンドルソフトの比較を行っていないため、細かい使い勝手では、まだまだ差があると思われるが、ハードウェア面からみた「PEG-TG50」は、Graffitiにこだわらないユーザーにはコストパフォーマンスの高いオススメCLIEといえるだろう。

 また、これだけコンパクトでかつ実用的なキーボードが作れるなら、ぜひ次世代 Pocket PCでは、どこかのメーカーから、内蔵キーボード付のモデルを投入してほしいと強く願うのである。



ソニー CLIE「PEG-TG50」 第5回 上位機種 PEG-NX70Vと比べた使い勝手は?

Reported by けいたん


Last-modified: Sun, 24 May 2009 23:45:30 JST (3767d)