 | PDFかJPEGかの画像。 かなり綺麗。 |
■ いまだ、すごい反響のシグマリオンIII シグマリオンIIIの注目度は高い。たった1台のPDAが、発売前にこれほど注目されたのは初めてだ。発表日から過去の WindowsCE FAN の最高アクセス数を軽く抜き去り、今なお、高アクセスが続いている。掲示板でも、ここのところ、WindowsCE FAN の掲示板の方でも、シグマリオンIIIの話題がずっと続いている。 ■ 今日のテーマはスゴいブラウザ「Picsel Browser」 そんなわけで、今日のシグマリオンIIIに関するレビューは、「世界初搭載」というスゴイブラウザー兼ビューワーソフトである「Picsel Browser」だ。このソフトは、単なるHTMLを表示することのできるブラウザ機能に加えて、Microsoft Word、Excel、PowerPoint、PDFファイルを表示する機能も持っている。現時点では、まだ実機を入手できていないため、展示会で撮影した画面撮影写真を元に、その表現力を確かめていただきたい。
 | 閲覧したいファイルを選択する画面。 |
|  | 貼り付けた画像や、図形も正しく表示されている。 文字フォントは拡大しても滑らか。 |
|  | 貼り付けたグラフも見事に再現。 今までのPocket Excelでは不可能だった。 |
|  | Picsel Browserの機能説明 |
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ちなみに、ソフトの名前を見ていただければ、わかる人ならわかると思うが、シグマリオンIIIに内蔵されている「Picsel Browser」は、ソニークリエ PEG-TG50/NZ90等にバンドルされている「Picsel Viewer」と同じ会社の製品だ。違いは、その名前に現れているとおりインターネットのブラウジング機能があることだ。 今、多くのWebページは、パソコン用のブラウザ用に作られているため、横幅が 800px 〜 1024px 程度に作られている。液晶パネルが 800 x 480 サイズあるシグマリオンIIIでは、パソコンとほぼ同じ見栄えでページを表示することができるはずで、一般的なニュースサイト等のブラウジングには向いていると思われる。 ■ 本当に特筆すべきは、快適なスクロールとズーミング速度 以上の写真をみても、ハンドヘルド機に詳しい人から見ると、それほど大きな感動はないかもしれない。H/PC2000には Pocket PowerPoint があったし、ブラウザの表現能力も Pocket Internet Explorer より、特別優れているわけでもない。PDF については、Pocket PC用なら、純正の Acrobat Reader が提供されている。では、この「Picsel Browser」が優れている点は何か? それは「Picsel Browser」の快適なスクロールとズーミング機能だ。  | これだけ縮小してもちゃんと読めるところが スゴイ。高精細液晶の威力だ。 |
|  | 拡大・縮小は一瞬。 本体左のバーでスムーズに変更可能 |
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従来のハンドヘルド機の場合、複雑なページを表示すると、画面表示がもっさりと遅い。しかも、スクロールしようもんなら、波打ちながら移動し、カーソルを止めても、なかなかスクロールが止まらないケースがあった。要するに、レスポンスが悪いのだ。結果として、ページのつくりがかなり考えてコンパクトになっていないと、ハンドヘルド機のブラウザでは日常的に読むには耐えなかった。最近、一般的なニュースサイトでは、左側にメニュー、真中がニュース本文で、右側に関連記事一覧などがまとまったつくりになったりしているが、こういう画面も従来のハンドヘルドでは表示が重たいだけで決して見やすくはなかった。 これに対してシグマリオンIIIの「Picsel Browser」は、スクロールやズーミング時に表示し、即座にすべてをレンダリングせずに、その一部をぼやかしたままスクロールし、操作を止めると即座に微細な画面になる、といういわゆる「プログレッシブ・レンダリング」の機能を持っている。スクロールやズーミングの途中では、微細な部分まで表示されないが、その分レスポンスはいい。スクロールも、ズーミングも狙ったところで、ぴたりと止めることができる。また、大きな画面の場合には、一度縮小表示にしてからページを移動し、狙ったところだけをズーム、といったようなことも実に簡単にできる。 会場のデモしか触っていないので、WindowsCE FAN の掲示板のような縦に長いページをた場合のパフォーマンスや、画像だらけのページのレンダリングがどうなるかは、実機の入手を待って試してみたいところだが、かなり期待できるのではないだろうか。 ■ 終わりに 発表会場で、実機を触った限りでは、この「Picsel Browser」の性能と使い勝手はかなりのものだ。サンプルコンテンツも、従来のビューワーやブラウザとの違いが端的に判るものが用意されていたため、シグマリオンIIや、Pocket PCに比べた優位点を感じることができた。このブラウザをはじめて触れると、人気漫画の「美味しんぼ」でいうところの「こ、これは……」と驚嘆する台詞がでてしまう。しかも、触れば触るほど、その魅力に引き込まれる。決して、それをもってノートパソコンと同等とか、同等以上というつもりはないのだが、これだけ使えればその軽量さとバッテリ寿命を考えると、日常生活はもはや困らないじゃんという感じだ。 シグマリオンIIIに採用されているプロセッサは、Intel PXA255 400MHz。これは最新の Pocket PC 2002 とまったく同じだ。一方で、800 x 480 という広い画面サイズはパフォーマンス的には不利になりやすい。Pocket PC に比べれば 4倍広い分、4倍不利だ。それにもかかわらず、この高速性が達成されているのは、やはりこの「Picsel Browser」が優秀なのだろう。このあたりについては、以前、このブラウザの開発元から話を聞いたことがあるため、また別途まとめてみたい。 発表会場は、NTTグループのプレスルームにも関わらず、NTTドコモが持ち込んだ「@FreeD」の接続ができなかった。このため、通信時のパフォーマンスは未知数だが、この分なら、かなりいけてるに違いない。ハンドヘルドはのろくて、インターネットなんて使えないよ!と思っている人は、5月末以降、このシグマリオンIIIが店頭に並んだら、ぜひ実機を試してみてほしい。その認識を改めさせられるはずである。
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