■なぜか使いにくい標準ファイラー PocketPCの大きな役割として、まず“PIM”が挙げられる。Windows PC(Outlook)との連携が強みでもあるPocketPCは、予定表や連絡先、仕事など簡単に持ち出すことができとても便利だ。そしてPIMに並びPocketPCの非常に重要な用途として、テキストや手書きメモ、Excelファイルなどのデータから画像や音楽ファイルなどメディア関連まで様々なファイルを利用することが挙げられる。 しかし、それらのファイルを管理するためのファイラーが標準ではどうも使いづらい(好みにもよるだろうが)。そのため、そのような標準ファイラーの欠点を補うべく様々なソフトが存在し、多くのPocketPCユーザーが好みのファイラーを使っていることだろう。 もちろん、それぞれのソフトで機能や使い勝手などが異なるため、PocketPCを使い始めたばかりのユーザーにとってはファイラーを選択するだけでも一苦労だ。また、ユーザーによって利用目的が違うと思うのでどのソフトがおすすめのファイラーとは一概には言えない。そこで、今回は様々な用途に対応することのできる、高機能なファイラー「Pocket FileExplorer」を紹介する。  | 様々な機能を備えた「Pocket FileExplorer」 |
■どんなことができるの?
それでは「Pocket FileExplorer」はどのような機能を備えたファイラーなのか、特徴を簡単に説明する。 ○見やすく操作しやすいインターフェース 画面上部にディレクトリツリー表示、下部に選択したディレクトリ内のファイルといったように2画面構成で効率的な操作が可能。また、ツリーの一覧表示や、フォルダのみの表示も可能で、フォルダの表示を「大きなアイコン」「小さなアイコン」「一覧表示」「詳細」とデスクトップPCのファイルエクスプローラのように好みに合わせて変えることができる。さらに、名前順や日付順、サイズ順などの条件で並べ替えることも可能だ。 標準のファイルエクスプローラでは、違うディレクトリを表示する際、例えばProgram FilesからWindowsフォルダを表示しようと思ったら、まず上部のフォルダバーよりマイ デバイスをタップした後Windowsフォルダを選択しなければならなく、頻繁にディレクトリを移動する時などは非常に煩わしい。これをツリー表示で直感的に(デスクトップPCのファイルエクスプローラと同じように)操作できるのはうれしい。  | 2画面構成により普段PCで使っているファイラ ーのような使い方ができる |
○ポップアップメニューでファイル操作が可能
ポップアップメニューとは、ファイルやフォルダをタップ&ホールドする(スタイラスで押さえる)とメニューが立ち上がり、そこから切り取りやコピーはもちろん、ショートカットの作成や名前の変更を行うことができる機能で、ちょうど、デスクトップPCでマウスの右クリックに該当する機能だ。 このポップアップメニューは、PocketPC 2002のファイルエクスプローラにも搭載されている機能なのだが、Pocket FileExplorerではより多くの機能をポップアップメニューに搭載している。例えば、直接ファイルの暗号化や複合化が可能で、セキュリティが気になるファイルも安全に管理することができる。さらに、赤外線での送信やメールでの送信、My Documentsへのコピーも簡単に行えるようになっている。また、地味な機能だが、標準のファイルエクスプローラには搭載されていない機能で、意外と重宝する「ファイルのプロパティ」を確認することも可能だ。  | 普段PCで使う「プロパティ」は意外と重宝する |
○ファイルの選択方法が豊富
デスクトップPCのようにシングルクリック・ダブルクリックの概念がなく、シングルタップで実行というPocketPCでは、複数のファイルを選択しコピーするといったような使い方は極めて困難だ。例えば、標準のファイルエクスプローラで1番上のファイルと3番目のファイルをコピーしようと思った場合、まず1番上のファイルをコピーし目的の場所に貼り付けた後、もう一度3番目のファイルに対して同じことを繰り返さなければならない。このように2つくらいのファイルだったらまだ良いのだが、5個、10個と多くなればなるほどつらい。 そのような、PCでの操作と同じような使い方を可能にしてくれる機能として「ファイルの選択方法の変更」がある。シングル/マルチ選択では、目的の複数のファイルをシングルタップで選択しまとめてコピー&ペーストのような使い方ができる。また、「全てを選択」や「転置の選択」も可能。  | ファイルをまたいでの選択もラクラクだ |
○高性能な検索機能
PocketPCには標準で検索機能が搭載されている。使ったことがあるユーザーなら分かると思うのだが、この検索機能はPCと同じように使うことができなく困った経験もあるだろう。実は、PocketPCの検索機能はすべてのファイルを対象とした検索ではなく、Pocket WordやPocket Excel、手書きメモなどの一部のデータに限られるのだ。ただ、予定表や連絡先などPIMの中も検索してくれるので、PDAとして使う分には便利な検索なのかもしれないが、前述した通りPocketPCではその他にも音楽ファイルや画像ファイルなどを使う機会も多々ある。 そのため、Pocket FileExplorerの搭載する高度な検索機能はかなり重宝する。音楽ファイルや画像ファイルはもちろん、Windowsフォルダやメモリカードの中まで検索してくれる検索機能はとても高性能で、検索時間については検索するファイルの対象を絞っている標準の検索よりも高速で非常に実用的だ。また、PCの検索ではお馴染みの“*”や“?”などのワイルドカードも利用することができる。ただ、あくまでもファイラーに搭載される検索機能のため、PIMデータは検索対象には含まれていない。  | ワイルドカードも利用可能な検索機能。使い勝 手はPCとほとんど同じでしかもかなり高速だ |
○ファイルの関連付けも可能
Pocket FileExplorerは、ファイルを管理するといった基本的な機能の他にも、「ファイルの関連付け」という便利な機能を備える。この機能は、PCで起動するタイプのインストーラーを用いないアプリケーションをインストールした時などにしばしば起こるファイルの関連付けが行われないという問題を解消することが可能だ。 通常ファイルの関連付けが行われなかった場合は、目的のファイルをファイラーからでは開くことができず、一度対応するアプリケーションを起動し、そのアプリケーションからファイルを開かなければならなく面倒な思いをしたこともあるだろう。レジストリの変更で対処することもできるのだが、初心者には難しく何より面倒だ。手軽にこういった機能を利用するのが一番だ。また、デフォルトで関連付けされている「.txt」などのファイルを、好みのアプリケーションに変更するといったような使い方も可能。  | ポップアップメニューの「連結」より行える ファイルの関連付け |
○ネットワークに接続されたPCへのアクセスが可能
PocketPC 2002ではネットワークに接続されたPCの共有資源へのアクセスが可能になったが、標準のファイラーでは「\\xxx」のように直接パス(コンピュータ名)を入力する方法しかなかった。しかし、Pocket FileExplorerではネットワークに接続されたPCの一覧表示が可能で、より手軽にネットワークを利用することができる。  | パス入力によるアクセスも一覧表示も可能だ |
■デモ版をインストールしてみよう!
上記でPocket FileExplorerの代表的な特徴をいくつか挙げたが、いまいちピンとこない方もいるだろう。幸い、Pocket FileExplorerにはデモ版が用意されているため、上記デモ版ダウンロードリンクよりファイルをダウンロードし購入前に実際に試すことができるぞ。 インストール方法は、ファイルをダウンロードした後解凍し、「Explorer_p.exe」を実行するとインストーラーが起動するので、あとは指示に従えば自動でインストールされる。 それでは、次回は操作方法や画面説明など実際の使い方を紹介する。
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