■徹底検証 NetFront vs PocketIE それでは、「NetFront v3.0 for Pocket PC」がどれほどの実力を持っているのか実際の利用シーンに合わせ、PocketIEとの比較を行ってみた。 ちなみにこの検証は、Yahoo!BB 8Mbpsの通信回線にLAN カード CF-10TでGENIO e550Gをインターネットに接続するという環境の下行った。(※通信環境やマシンのスペックにより、今回行った検証とは異なる結果となる場合があるので注意しよう) ○基本使用編<Pocket Internet Explorer> まずは、「PocketIE」を使用しWindowsCE FANの掲示板を見るという作業を行ってみる。 1.WindowsCE FAN TOPページの表示 PocketIEを開いた後、アドレスバーにURLを入力し早速エンターキーをタップする。エンターキーをタップした時点からページすべての項目が表示されるまでの時間を計ってみたところ、なんと65秒もかかってしまった。PC向けに作成されたページとはいえ、これではちょっとかかりすぎといえるだろう。 ようやくすべての項目が表示されたところで、目的の「なんでも相談室」へ行ってみることに。なんでも相談室は左メニューのやや下の方にリンクがあるため、スクロールバーの下矢印をタップしていったところやや画面にもたつき感が発生してしまった。 なんでも相談室のリンクが表示されている部分にたどりついたところでリンクをタップ。  | なかなか消えない右上に表示された「ページ 取得中」のアイコン |
2.ベタツリー表示をしてみる TOPページほどの時間はかからず掲示板が表示され、まずはPocketPCの画面で閲覧するのに適しているであろうベタツリー表示をしてみることにした。ここでのベタツリー表示のタイム計測は10秒となかなかの好成績をマークしたぞ。 また、ベタツリー表示だと画面の右側へ長く発言が表示されてしまい、PocketPCの縦長の画面では読みづらいので、表示 -> 画面に合わせるをタップした。すると、画面に収まるように修正されかなり読みやすくなった。  | 「画面に合わせる」をタップすることで表示内 容がきっちり画面に収まり読みやすい |
3.分からない用語をGoogleで検索 掲示板を見ていたところ「ActiveSync」という調べたい単語がでてきたため、Googleを使って調べてみることにした。 まず、ActiveSyncの部分をスタイラスで選択し、タップ&ホールドでコピーした。用語を調べた後にこの掲示板の続きを読みたいので、できれば新しいページで検索をかけたいのがPocketIEで新しいページを開くことはできない。しょうがなく、Googleを表示させるためアドレスバーにURLを入力しエンターキーをタップした。 次に、Googleの検索ワードを入力する部分でタップ&ホールドし、先ほどコピーしたワードを貼り付け「Google検索」をタップした。検索結果が表示されるまでの時間は10秒弱と、非常に実用的なタイムを記録したぞ。  | シンプルな検索サイト「Google」は PocketPCでもかなり実用的 |
4.目的のサイトを表示 検索結果から目的のページを見つけることができたので、早速タップしてみた。WindowsCE FANのレビューはPocketPCで閲覧した場合PocketPCに最適なページに修正されるので、ページが表示されるのに要した時間が10秒と比較的短く、見やすいのが特徴だ。 PocketPCに関して外出先で何か調べたいことがあったら、是非試してみよう。  | Mobile WindowsCE FANならPocketPCでも 見やすいぞ |
○基本使用編<NetFront v3.0 for Pocket PC>
続いて先ほどPocketIEで行った作業と同様のことを「NetFront」で行ってみる。 1.WindowsCE FAN TOPページの表示 まず、スタートメニュー -> プログラムよりNetFrontを起動したところ、「NetFront v3.0」のロゴが表示されURLが入力できる状態になるまでに5秒程度かかってしまった。起動に時間がかかるのは残念な点だが、逆にそれだけ多くの機能を搭載しているということが考えられる。また、PocketPCは基本的にタスクを切り替えて使用するデバイスなので、初めにかかる起動時間(といっても、わずか5秒程度)はそれほど気にならないだろう。 それよりも気になるのは、ページが表示されるまでの時間だ。NetFrontが起動したところで、早速アドレスバーにWindowsCE FANのURLを入力しエンターキーをタップしてみた。PocketIEのときと同じく、エンターキーをタップした時点からページすべての項目が表示されるまでの時間を計ってみたところ「15秒」と、意外とスムーズにページの読み込みが完了した。 さらに、目的の「なんでも相談室」に行くためのページのスクロールもかなりスムーズで、画面のもたつき感もそれほど感じられなかった。ページの表示に要する時間やスクロールなど、ブラウザとしての基本的な性能が非常に高いことから、多くの組み込み機器に採用されてきたという点も納得だ。 それでは、なんでも相談室のリンクをタップする。  | NetFrontならPC向けのページでもかなり快適 なブラウジングが可能 |
2.ベタツリー表示をしてみる 掲示板の表示・ベタツリー表示も非常にスムーズで、ベタツリー表示に関しては5秒とPocketIEで早いと感じたタイムをさらに5秒ほど刻んできた。 また、ベタツリー表示でも右側へ長く発言が表示されることはなく、PocketPCの画面でちょうど読みやすい形で表示されていた。なお、NetFrontもPocketIEのように画面に収める機能を備えているため、もし横長で読みづらいといった場面に遭遇したら、ツール -> 表示 -> 画面幅に収めるをタップしよう。  | PocketPCに最適な形で表示される |
3.分からない用語をGoogleで検索 続いて、掲示板にあった「ActiveSync」を調べてみるが、ここで便利なのが「マルチウィンドウ機能」だ。画面をタップ&ホールドし表示されたポップアップメニューから「ウィンドウを作成する」を選択することでタブにより切り替えることのできるウィンドウを新たに開くことができる。 そのため、別ウィンドウでGoogleを開き、そこで気になる用語が検索できるため、調べ終わればまた掲示板の続きを読むといった使い方が可能だ。さらに、タブの切り替えはアドレスバーの下に表示されたタブをタップするだけと非常に簡単で、表示のもたつきなどもまったくない。 ちなみに、用語のコピー・貼り付けを行うには、その部分を選択しツールより「コピー」「貼り付け」を選択しよう。また、Googleの検索にかかった時間は、約10秒とPocketIEとそれほど変わらない結果だった。  | タブによる切り替えが可能なマルチウィンドウは かなり便利だ |
4.目的のサイトを表示 PocketIEの時と同じように、Googleの検索結果よりWindowsCE FANのレビューページを表示してみたところ、先ほどのようにPocketPC用のページへは飛ばず、通常のPC版が表示された。通常のPC版でも読みづらいことはないのだが、やはりPocketPC版の方が読みやすいだろう。 PocketPC版のページを表示するには、URLの「ceSnapView」の部分を「ppcSnapView」に変えることで可能だ。また、このページを表示するのに要した時間は5秒弱と、PocketIEに比べ半分の時間で表示された。  | PocketPC向けのページならさらに快適 |
■スムーズな表示はかなり快適
上記で行った検証の結果を以下で簡単にまとめてみた。 | NetFront | PocketIE | 1.WindowsCE FAN TOPページの表示 | 15秒 ○スムーズなスクロール | 65秒 ×スクロールにもたつき感 | 2.掲示板のベタツリー表示 | 5秒 ○PocketPCに最適な表示 | 10秒 | 3.Google検索 | 10秒 ○マルチウィンドウが便利 | 10秒弱 | 4.WindowsCE FANモバイルの表示 | 5秒弱 △手動 | 10秒 ○自動 | 以上の検証から分かるように、NetFrontを使ってみての感触としては表示がかなり“快適”ということが挙げられる。もちろん、マルチウィンドウもうれしい機能なのだが、普段PocketIEを使っていて緩慢な動きに嫌気を感じる筆者にとっては、このキビキビとした動作の方がこのソフトを評価する上で重要なファクターといえるだろう。 さて、次回は応用編ということでNetFrontならではの機能を紹介するが、まずはこのキビキビ感をデモ版で試してみよう!
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