三洋電機の新WindowsCE.NETデバイス HDDボイスレコーダ・AVプレーヤ「HDDR-M1P」

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2003年10月27日(月)版

三洋電機の新WindowsCE.NETデバイス HDDボイスレコーダ・AVプレーヤ「HDDR-M1P」

【CEATEC JAPAN 2003】 ユビキタス・コミュニケーション、次へ始動!

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■ はじめに

 なかなか時間がなくて、ボチボチしかお伝えできていないのだが、2003年10月に開催された「CEATEC JAPAN 2003」は、デジタル家電が元気いっぱいの日本市場を表すかのような、新製品/新コンセプトマシン・ラッシュだった。そんな中で、1996年の登場以来、7年が経過し、8年目に突入した「Windows CE」も、さまざまな製品に採用されていた。ここでは、三洋電機が来春発売を目指して、コンセプトモデルを展示していたデジタルボイスレコーダ・AVプレーヤ「HDDR-M1P」をご紹介しよう。

■ デジタルボイスレコーダー・AVプレーヤー「HDDR-M1P」

 三洋電機ブースに展示されていた「HDDR-MP1」は、モバイルAVプレーヤーが多かったCEATEC JAPANの展示の中では、「AVプレーヤー」以前に「デジタルボイスレコーダ」という冠のついた異色の作品だ。聞けば、本デバイスを開発したのは、今ヒット中のデジタルボイスレコーダーを開発している部署とのこと。32MB程度から始まって、128MB、256MB と容量が拡大していく中で、「HDD搭載モデルもありだよなあ」といった発想でハードウェアの開発が進められていたという。採用されたのは、1.8インチ 20GB の小型HDD。iPodなどでも採用されている小型のHDDだ。

 将来は、マイクロソフトが提唱する「Media2Go」というコードネームの新プラットフォームに対応したいということで、現時点での OS は WindowsCE.NET 4.2。アプリケーションは、三洋電機が自社で開発したものだという。今回説明いただいた三洋電機の担当者によれば、商品コンセプトを含めて、いろいろ研究中ということらしく、この「HDDR-M1P」にはさまざまな機能が盛り込まれている。これらの機能を使い、最終的には評判のよかった機能を中心にブラッシュアップを行い、タイミングが合えば「Media2Go」対応デバイスとして発売していく予定だと言う。

 それでは、現時点ではどんな機能が実装されているのだろうか。

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■ 4つのメイン機能「ボイスレコーダー」「画像再生プレーヤー」「WMA/MP3プレーヤー」「データストレージ」

 今回、三洋電機の掲げた4つのメイン機能は、

  • デジタルボイスレコーダー
  • 画像再生プレーヤー
  • WMA/MP3音楽プレーヤー
  • データストレージ

だ。元々の発想は「HDDボイスレコーダー」とはいうものの、出来上がってきた「HDDR-M1P」は、機能が豊富すぎて、なかなか、これが何なのかを説明するのは難しい。ここでは、先に紹介した同社のパネルを元に、順に特徴を紹介していこう。

◎ デジタルボイスレコーダー機能

 まず、他社のモバイルプレーヤーと違うのが、「デジタルボイスレコーダー」機能だ。単に情報を持ち運ぶだけでなく、出先で、音声を録音するデータ入力デバイスとして使うことができる。他社のモバイルプレーヤーに比べて明らかに優れた特徴だ。

 しかも、元もデジタルボイスレコーダーを作っていると言うだけあって、ボイスレコーダー機能は単なるおまけではない。まず、MP3ステレオ録音が可能。それでいて、20GB HDD機能を活かして、音楽の録音にも対応できる 128Kbps のHi-Fiクオリティでも、なんと「350時間」もの録音ができる。ボイスレコーダーとしては標準的な 32Kbps ならば、最長「1400時間」もの超・長時間録音が可能だと言う。

 この32Kbps超長時間録音モードの場合、単に 24時間で割ってみても、約 2ヶ月 (58日間) の録音が可能な時間だ。

 まさに、会社や個人で、ビジネスのために買う価値のある機能といえるだろう。

◎ 画像再生プレーヤー

 続いて、他社にもありがちな機能であり、マイクロソフトの「Media2Go」が狙うのところでもある「画像再生プレーヤー」としての機能だ。QVGAサイズのWMVファイルを再生できるのに加え、JPEG静止画像の再生機能 (スライドショー)機能もある。後述するが、本機には、デジカメ写真などをメモリカード経由で吸い上げる機能があり、その本格ストレージ兼簡易ビューワーとしても利用することができる。将来こそわからないが、現時点では、世間的には WMV映像ソースより、JPEG画像のソースの方が圧倒的に多く、その再生機能があるのは意外と便利なものだ。

 筆者もよく旅先で撮ったデジカメ写真を、その場で、Pocket PCに差し込んで再生したりしているが、帰りがけの電車や飛行機の中で、これが結構盛り上がったりする。

写真の写し方が下手だが、
実物はもっとはっきり見えていた
動画再生に対応するだけあって、
JPEGの表示も高速だ。

◎ WMA/MP3音楽プレーヤー

 先ほどのMP3最高音質の録音時間 350時間は、丸々CDの録音に使えば、約 350枚 = 4,000曲を超える楽曲を蓄えておくことができる。WMA に対応しているのもウリで、その場合は、64Kbps にまで圧縮すれば約 700枚 = 8,000曲もの音楽を蓄えることができる。CD 700枚といえば、1枚 1,000円の CD でも、70万円相当。レンタルで借りてきたとしても、毎日違う CDアルバムを 2枚ずつ借りても 1年間は駆り続けられる計算で、それこそものすごい数である。

現状はあくまでイメージだが、
ライセンスさえ結べればジャケ写表示
付の音楽再生も可能になる
内部には Windows Media Playerが入っている。

◎ データストレージ

 そして、デジタルボイスレコーディングの機能と並んで、本機の特徴ともなっているのが「データストレージ」機能である。試作機の OS に WindowsCE.NET を選択したということもあり、この部分の機能はことのほか豊富。デジカメ写真などを メモリカード経由で、データを読み込むことができるのはもちろん、パソコンとは USB で、Sync & Go の機能が利用できる。

 さらにすごいのは、Ethernet経由で接続すると、ネットワークストレージになってしまうこと。ソニーの無線LAN機能搭載のポータブルファイルサーバー「FSV-PGX1」 も真っ青なポータブルファイルサーバーっぷりだが、残念ながら今のところ、DHCPサーバーになったり、簡易ルータになったりするわけではないようだ。しかし、録音した会議メモなどのハンドリングを考えても、ぜひとも、このネットワークストレージ機能は残してほしいものだ。

USBホスト機能で、ケーブル接続による
デジカメ画像の吸出しも可能

■ 終わりに

 早くても来春の製品化予定とのことで、具体的な価格や、バッテリ駆動時間等の具体的なスペックについては、確固たる回答をもらえなかったし、推測についてもここでは紹介しない。しかし、HDD内蔵と言うことと、映像再生機能があることからして、現在の iPod 20GBモデルや、Pocket PC 2003 の価格を下回るのはなかなか難しいだろう。これは、ソニーや東芝製のモバイルAVプレーヤーにも言えることだが、現時点での「HDDR-M1P」には、同社が長年培ったデジタル・ボイスレコーディングと言うビジネス的に付加価値の大きい機能がある。まだまだハードウェアは未完成とはいうものの、製品化の時点では、今よりもより薄く、よりスタイリッシュなデザインに仕上がってくることを願ってやまない。

 なお、WindowsCE FANでは、引き続きハードウェア面の紹介などを行っていく予定だ。



三洋電機の新WindowsCE.NETデバイス HDDボイスレコーダ・AVプレーヤ「HDDR-M1P」

Reported by けいたん


Last-modified: Sun, 24 May 2009 23:45:30 JST (3100d)