これだけ注目されている「DataPlay」 日本データプレイには、東芝も出資

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2001年3月5日(月)版

これだけ注目されている「DataPlay」 日本データプレイには、東芝も出資

【CES2001特集】 新記録媒体「DataPlay」がやってくる

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■ DataPlay とは

 DataPlay は、前回の記事で紹介した、「500円玉サイズの DVD-R」といった製品である。500円玉サイズで、500MB という具合で非常に覚えやすい。
 今回は、この DataPlay が、世界でどのように注目されているか紹介しよう。

■ CES2001 で絶賛

 DataPlay は、昨年 4月頃から、専門雑誌や、業界の中で噂になっていた。
 
 メディアもドライブも小型で、安価な DataPlay は、CES2001 でも絶賛されていた。「BEST OF SHOW AWARD」を筆頭に、「BEST LIFESTYLE PRODUCT」「BEST MOBILE DEVICE」 などの部門賞も受賞。今年の CES2001 の最大の目玉だといってもよい。

■ 日本では東芝が出資し、日本データプレイを設立

 日本では、CES2001 に先立つ、2000年9月に、東芝と米国 DataPlay 社の共同設立により、「日本データプレイ(株)」を設立している。資本金は、設立時2億円で、米国 DataPlay 社が 51%、東芝 49% となっている。

 東芝が、この DataPlay ディスクに肩入れするのは、その将来性を買うと共に、実際には大手家電メーカーの中で次世代の記録メディアの標準的な地位を狙っているという見方もできるのではないか。
 ソニーグループは、メモリスティックを推進し、松下と東芝は、SDメモリカードを推進する立場にある。しかし、実際のところ、SDメモリカードの盟主は、松下電器であり、東芝の存在感はイマイチ薄い。その理由の一つが、この「DataPlay」という隠し玉である可能性も十分ある。

■ ユニバーサル・グループ、EMI MUSIC も注目

 ハードウエアメーカーだけでなく、米国の2大エンターテイメント企業である、ユニバーサルと、EMI も DataPlay に注目している。両社は、DataPlay を利用した音楽をはじめとするパッケージの発売を考えているほか、ユニバーサルグループは、DataPlay への出資も行っている。

 こうした企業が DataPlay を使って提供するのは、主に CDシングルや、CDアルバムに代わる音楽パッケージだ。
 これには、現在の音楽流通の主流となっている「CD」というメディアが、時代の変化の中で、さまざまな問題を引き起こしているためだ。大きな問題とは、「複製」に関する問題である。現在の CDシングルや、CDアルバムといったメディアには、暗号化の仕組みがまったくないため、CD-R ドライブを持っている消費者が、あまりにも手軽に違法コピーすることができる。また、最近有名になっている Napster の海賊版流通も、CD リッピングによって、普通の CD アルバムからデジタルデータに変換されたものによるところが大半を占める。
 こうした、レコードメーカーや、他のコンテンツプロバイダが望まない「複製」を避けるには、音楽データ自体を暗号化したり、リッピングすることができないメディアが必要となる。さらに、そのデータの中に、ウォーターマークと呼ばれる透かしデータなどを入れ、違法データの流通経路を割り出すことで、違法コピーをなくす方法が考えられている。

 このため、DataPlay には、現在の CD の記録形式である「WAV」形式ではなく、ATRAC や、AAC といった、ダウンロード音楽(音楽配信) などで使われている最新の音声圧縮コーデックが利用される予定だ。こうした圧縮技術を利用すると、500MB の DataPlay には、約 100曲分のデータを格納することができる。例えば、さまざまな規格の機器に対応するために、ATRAC3 と AAC の2形式でエンコードしたデータを格納することなどができる。


■ ContentsKey(TM) テクノロジーによる新しいコンテンツの提供もはじまる

 さらに、この DataPlay には「ContentsKey」と呼ばれる、コンテンツ提供形態も準備されている。それは、暗号化された音楽データなどを、あらかじめ 100曲分 DataPlay の中に書き込んでおいて、必要に応じて、インターネット経由で利用可能にする技術だ。
 例えば、DataPlay で、アーティストのアルバムを発売する際に、最新版のものだけでなく、古いアルバムのデータも書き込んでおく。これで、ユーザーが支払う値段は、最新版のアルバムの価格だけ。

 そして、後から、前のアルバムの曲も再生したくなったら、インターネット経由で料金を支払うと、あらかじめ書き込まれていた古いアルバムが再生できるようになると言うわけだ。

 こうした技術は、古くは、NTTグループの提供していた「miTa Katta」や、セガの「@BARAI」などでも利用されてきた技術と基本的には同じだ。異なるのは、この料金を支払ったという情報を書き込むのが、PC 上の HDD や、別のメモリカードだったりせず、DataPlay ディスクそのものである点だ。
 ユーザーにとっては、PC を変えると再生できなくなったりしないし、一度しか書き込めない特性を活かして、お金を払ったデータが消えてなくなったりしない。ちょっとしたことだが、ユーザーの観点に立つと非常に優しいサービスとなる。

■ 終わりに

 単なる記録媒体としての DataPlay を考えると、ビット単位のメディア単価では、CD-R に及ばないし、大容量さを考えると DVD-R などに勝てない。サイズは、SDメモリカードの方が有利というわけで、必ずしも本命として考えられない。

 しかし、東芝などの日本メーカーが本腰を入れ、ユニバーサルグループや、EMI などのレコードメーカーなどが、CD から DataPlay にシフトしてくると、一躍、次世代の標準デジタルメディアの地位を築き上げてしまう可能性は高い。

 特に後者のコンテンツプロバイダの支持を受けて登場すると言う点が、DataPlay 社の今までのメディアメーカーにはなかった、最大の特長であると言えるだろう。

 次回は、実際に DataPlay を組み込んで動いていた試作品の出来具合を紹介しよう。



これだけ注目されている「DataPlay」 日本データプレイには、東芝も出資


Reported by けいたん


Last-modified: Sun, 24 May 2009 23:45:30 JST (3803d)