Ceiva のネットワーク・フォトフレームは 未来のコミュニケーションツールになれるか?

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2001年3月11日(日)版

Ceiva のネットワーク・フォトフレームは 未来のコミュニケーションツールになれるか?

【CES2001特集】 最新のデジタルネットワーク・グッズ

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■ はじめに

 CES では、毎年出展された製品の中から特に優れていると思われる製品に、「CES AWARD」という賞を設定している。会場では、特別なコーナーが設けられ、そこに 100前後の「CES AWARD」に輝いた製品が展示されている。

 そんな中にひっそりと展示されていたのが、今日紹介する「Ceiva II (Picture Frame)」 なのである。

友人からの写真表示
Ceiva Network からの写真

■ Ceiva II とは?

 Ceiva II は、上記の写真のように、写真立てのような形をしている。しばらくみていると、その画像はくるっと入れ替わる。そう、写真のように見えるところは液晶パネルで、そこに画像を表示する「デジタル写真立て(Digital Picture Frame)」 と呼ばれるカテゴリに属する製品だ。

 この手の製品をみると、パソコンにどっぷりと漬かっている人だと、すぐに連想するのが「スクリーンセーバー」あるいは「壁紙」。何となくパソコンでもできることを無理やり、専用機器に押し込めているような印象を受ける。しかし、実物を見ると、印象は異なる。普通の写真立てのように、自然にデスクやベッドサイド (あるいは枕元) に溶け込む。パソコンに苦手意識がある人でも、十分に使える製品である。最初、これを見かけたとき、一瞬何が展示されているのかわからなかったほどだ。(CES では、普通のスピーカーなども多数展示されていて、必ずしもネット機器や、デジタル機器というわけではない)

 とはいえ、パソコンなどに詳しくない人が、この製品を手にとって購入するとはとても思えない。この後詳しく説明するが、「パソコンくささ」を感じさせない、この Ceiva II は、「パソコンにどっぷりはまったアナタ」 から、「パソコンには興味がない両親や、恋人」 などに贈ってほしい製品なのである。

 本体も、わずか $249.00。今なら、$50 のメールリベート (米国では一般的な現金割戻し) がるので、$199.00 で購入することができる。携帯電話並みに安い。もちろん、これには若干のからくりが存在する。それは後ほど紹介することにしよう。

■ Ceiva の新しさはココにある!

 Ceiva II は、現在すでに発売中の「Ceiva」という製品の後継機だ。というわけで、ここから先は「Ceiva」について解説していこう。

 この Ceiva のエッセンスは、これが 「ネットワークにつながった写真立て」 であることだ。Ceiva は「単なる液晶パネル」ではない。毎日夜中になると、「Ceiva Network」 と呼ばれるサイトに自動的に接続し、その専用サイトに保存された画像を自動的にダウンロードしてくる機能を備えているのである。

 Ceiva の中に蓄えることの出来る画像は全部で 20枚。VGA サイズ (640 x 480)の JPEG 形式が利用できる。Ceiva II では、さらに、音声付の写真も表示させることが可能となっている。

 こうした機能を使って、Ceiva の利用用途は、「単なる写真立て」 を超える。例えば、パソコンの苦手な両親に送って、メール端末にすることができる。iモード端末などを渡したのでは、文字は読めても写真などを届けることができないが、この Ceiva では、640 x 480 の JPEG が表示可能なので工夫すれば、絵葉書のようなメッセージを送ることが出来る。Ceiva でも、このあたりは心得ていて、Ceiva Network のサービスを利用すると、標準で用意されているフレームに、メッセージを書き込むことで簡単な絵葉書を作って、Ceiva を持っている人に贈ることができる。
 もちろん、Ceiva はメール端末ではないから、このままでは返信することが出来ないが、元々、キーボードなどが苦手な人であれば返事は、電話や FAX でくれるだろう。それでいいのだという気がする。

 他にも、TV Guide ページや、ニュースなど、デフォルトでさまざまな「Channel」と呼ばれる画像が用意されており、毎日更新される。これは自分で、Ceiva を利用する時に便利な機能だと言える。

 このように、ネットワークに接続されることで、Ceiva は、テレビでもなく、リアルタイムに届くが味気はないメールでもなく、微妙な距離を持ったメディアになっているのである。

■ 技術的な観点から見た「Ceiva」

 技術的な観点から見ると、この Ceiva というのは、非常にシンプルな機械である。

 本体は、7.7インチ液晶パネルを搭載した、写真立ての形状をしている。
 内部に、アナログモデムを内蔵し、夜中になると自動的に最寄のアクセスポイントに接続する。そして、購入時に用意された Ceiva Network 上の個人フォルダに格納された画像を自動的にダウンロードして表示するのだ。

 Ceiva 本体には、ボタンは存在しない。なんと、電源ボタンさえ存在していない。
 ACアダプタをコンセントに接続し、アナログ電話のケーブルを、この写真の裏に接続するだけだ。

 また、ネットワークの接続は、今のところ必ずアナログの電話線である必要がある。LAN 接続や、ADSL などの接続を利用することは今のところは出来ない。


■ 「すべてネットワーク経由で」という割り切り

 ACアダプタと電話線をつなぐだけという、最近の FAX 電話よりも設定が必要のない、この「Ceiva」は一体どうやって、設定などを変更するのだろうか。

 その答えはやはりネットワークにある。Ceiva Network というのは、実際には、ダイヤルアップによるインターネット接続で、Ceiva のサーバーに接続されている。この Ceiva Network のサーバーに、個々の Ceiva = 写真立ての設定が格納されていて、その設定どおりの動作を行うのである。

 同社の Ceiva Network というウェブサイトで設定するパラメーターには下記のようなものがある。

  • 電源 ON/OFF の時間
  • 表示する画像 (一度に 20枚が限界)
  • 画像を受けて取れる友達リスト (それ以外の人が送っても表示されない)
  • 画像表示の切り替え時間 (1枚の写真を表示する時間)

 これらすべてのパラメータは、Ceiva とは別のパソコンから、インターネット経由で同社のサーバーに接続し、変更することになる。これは面倒でもあり、また便利でもある点だ。
 パソコンが分かる人なら、下手にちまちましたボタンから操作するよりも、ウェブの GUI で設定を変更する方が分かり易い。また、パソコンなどの分からない人には、分かる人が代わりに操作してあげられるという点を考えると、これはこれで便利だ。
 パソコンなどのカスタマサポートなどを経験すると、

 「あー、うざったい。代わりに全部やってやりたい!」

 という気になるのだが、これならそれが可能になる。

■ Ceiva の価格と料金

 さて、以上説明してきた Ceiva だが、すでに触れたように本体の価格は、わずか $249.00。今ならキャンペーン中で、$50.00割戻しされるので、実際は $199.00 で購入できるのだ。

 ただし、これに加えて、Ceiva Network の利用料金が必要となる。
 この料金は年間 $49.95。今なら、$149.95 支払うと、これで一生使うことが出来るらしい。もちろん、この手の「生涯保証」というのは、製品が壊れるまでというよりは、「Ceiva 社の存続する限り」 という表現の方が正確だろう。

 これに、毎晩の電話代が日本的な言い方をすれば 10円ずつかかるわけなので、年間約 4,000円が必要となる。

 というわけで、すべてあわせると、1年間の電話代をかけても 約 $400 ということになる。気軽に買って人に配るほどは安くないが、それこそ両親へのプレゼントという風に考えれば、そんなに高いものでもない。その後は、毎日 10円かかるだけだ。

 ネットワーク接続が必要なため、販売は今のところ米国のみが対象となる。

2年前に登場したソニーのフォトフレーム

 ちなみに、この手の「デジタル・フォトフレーム」製品で、ネットワークに接続することができない製品としては、ソニーが、メモリスティック対応の製品として、1999年4月に発売している。
 価格は、\99,800 と高価でかつ、受注生産品となっているため、知らない人も多いかもしれないが、念のため紹介しておく。「デジタルフォトフレーム『PHD-A55』」という製品(右写真) だ。


■ CeivaII の新機能

 Cieva II の話から始まって、Ceiva の解説になってしまったが、今回 CES AWARD に輝いた Ceiva II は、Ceiva と比べると下記の点が進歩している。相変わらず、Ceiva Network への加入は必要だが、

  • CFカードを挿し込めるようになった
  • スピーカーを接続すると、音声も再生可能
  • 黒しかなかったフレームも複数色から選択可能
  • リモコン操作で、画像の切り替えなどが可能
  • 画像切り替え時のエフェクトが可能
  • 大きな画像にも対応

などの点が新しくなっている。

 価格などはまだ未定のようだが、個人で利用するにしても、誰かにプレゼントするにしても、シンプルながら、より便利になっていることだけは間違いないようだ。

■ まとめ

 ちょっと写真や画像が少ないため、イマイチ、ピンとこない記事だったかもしれない。というのは、正直にいうと、CES2001 の会場では、筆者も、ネットワーク接続専用のフォトフレームなんていうぶっとんだ発想の製品になっているとは思わなかったためだ。。

 ネットワークに接続さえて、利用料金を毎年徴収すると言うのは、携帯電話の端末や、無料PC などの値下げで使われる常套手段である。しかし、製品寿命まで利用可能という条件で、$149.00 という価格を設定しているのだから、全体としてのコストは、すでに述べたように非常に安価である。

 使い勝手や、機能性は、かなり制約されているが、これも利用シーンによっては返って便利だといえるだろう。個人的には、自分の机の上において楽しむと言うより、自分からのメッセージを届けたい人のところにおいてもらって、手紙を贈るのに利用したいと思った。
 また、誰かがこうしたおもちゃをくれれば喜んで机の上においちゃいそうな気がする。1日1回というダウンロードも、電子メールや、Messenger のようなリアルタイムなメッセージ伝達と違ってのんびりしていてよい。

 当面ニッチな商品で、最近の米国の IT景気減退のムードを受けて、正直、「Ceiva」という会社の将来はかなり暗い気もするのだが、新たなコミュニケーション・ツールの1カテゴリを具現化したという点で、「CES AWARD」にふさわしい一品になっていたように思う。



Ceiva のネットワーク・フォトフレームは 未来のコミュニケーションツールになれるか?

Reported by けいたん


Last-modified: Sun, 24 May 2009 23:45:30 JST (4142d)