写真で見る日立「FLORA-ie MX1」

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2005年2月15日(火)版

写真で見る日立「FLORA-ie MX1」

最強テキスト入力マシン?――国内初の キーボード内蔵 Pocket PC 登場!


■はじめに

2 月 1 日のトピックスでお伝えした、日立製作所ユビキタスプラットフォームグループの Windows Mobile 2003 Second Edition 搭載 Pocket PC「FLORA-ie MX1」(以下、MX1)。VGA 液晶に SD・MMC / CF のダブルスロット、無線 LAN / Bluetooth(ver1.1)と、いわゆる“全部あり”なハイエンドモデルだが、注目すべきはやはり内蔵キーボード。キーボードを内蔵した Pocket PC は、国内では初登場となるだけに(ハンディターミナルは別として)、日本中の Pocket PC ユーザーの注目を集めている。

MX1 は、単体ではなくソフトウェア群やサーバなども含めた法人向けのソリューション(=パッケージ)として提供されるものだが、会社勤めのビジネスユーザーであれば、目にする機会があるはずだ。今回は、メーカーのご厚意により、実機をお借りすることができたので、写真を中心にお伝えしていきたいと思う。

■筐体

まずはじめに、誰もが確信を持ちつつも、(ちょっとだけ)疑問に思っている「これは、業務用ザウルスの SL-6000 と同じ筐体なのでは……?」という問いにお答えしておこう。――その通り。これは広報担当の方から直接伺った話なので間違いない。一応、筆者が SL-6000 の現物を手にとってみたことがないので、その第一印象をお伝えしておくと、「とにかくデカくて重い」。

サイズと重量は同社のスペックページ(詳細な仕様はこちらで確認してほしい)を見ると“約 79.8mm×高さ 158mm×厚さ 20.4mm、約 265g”となっているが、数字以上の重さを感じる。比較用に HP の「iPAQ Pocket PC h4150」を持ち出してみたのだが、なんと MX1 の液晶部分にすっぽりと h4150 が納まってしまった。大きいとはいえ、そこは PDA。何とかシャツの胸ポケットには入るが、型くずれは必至なので、やはりバッグに入れて持ち運ぶというのが正しい使い方だろう。

キーボードをスライドさせた状態。右にあるのは、セットで付いてくるプラスティック製の液晶カバー。液晶部分のみを覆うので、ナビーゲーションボタン(十字キー)やアプリケーションボタンを使って、閉じたままで操作できる
こちらは、MX1 に h4150 を載せてみたところ。本文中にも書いたが、液晶部分にすっぽり h4150 が納まってしまう。もちろん、これは MX1 の液晶がそれだけ“大きい”ということでもある

■何はなくともキーボード

やはり MX1 で注目すべきは QWERTY 形式の内蔵キーボード。MI 系(もちろん SL-6000 も)ザウルスユーザーにはおなじみのスライドさせることでキーボードが現れるタイプだ。こちらは想像以上に使いやすい。海外では HP の「iPAQ Pocket PC h4350」や、Palm OS を採用したスマートフォン「Treo 650」のようにキーボード内蔵型は幾つもあるが、国内では比較対象がない。ということで、iPAQ 用の「Micro Keyboard」を h4150 に取り付けて比べてみた。

写真を見てもらうと分かるように、キー自体は Micro Keyboard の方が大きい。しかし、実際の打ちやすさという点では MX1 に軍配を上げたい。Micro Keyboard は、キーが“カチャカチャ”とふらつくのに対し、MX1 はそれがなく、クリック感も非常にしっかりしている。さらに、MX1 はキーピッチがMicro Keyboard よりも広いので、自分の指がどのキーに移動しているのかを把握しやすい。

何よりいいのは、アプリケーションキーを同時に使えるということだ。Micro Keyboard も青い fn キーを併用すれば可能だが、アプリケーションキーに割り付けるアプリケーションを自分で変更している場合は、それが反映されない(反映するためには、設定ファイルを書き換えるなどの初心者にはお薦めできない作業が必要になる)。また、スライドさせた部分がパームレストのようになって、入力している時に手が(=筐体が)ブレない。ATOK などと組み合わせれば、マシンを置く机のない場所では、かなり強力なテキスト入力マシンとして役だってくれるだろう。

ちなみに、アプリケーションボタンは、ナビゲーションボタンの上に五つ(左から、スタート / Today / メニュー / Pocket IE / メール)、ナビゲーションボタンの両脇上段に二つ(OK / バックライト※長押しで画面のローテイト)、両脇に二つ(Cancel / OK)。さらに、筐体左側面上部に赤外線ポートを挟んで電源ボタン(筆者が借りた製品だけかもしれないが、起動 / 電源オフの際は長押しが必要だった)と録音ボタンがあり、ナビゲーションボタン中央のアクションボタンを入れると、計 12 個になる。これはかなり多い部類(最多?)に入るのではないだろうか。キーボードとの組み合わせを考えると、対応ソフトの登場によっては、かなりの作業がキー+ボタンの組み合わせのみで実現できそうだ。

写真は、MX1 のソリューションに含まれる Citrix の「MetaFrame(メタフレーム)」を利用して、別の場所にある Windows マシン上の「秀丸エディタ」を利用しているところだ
h4150 に Micro Keyboard を取り付けたもの(左)と、MX1(右)のキーボードを並べてみた。Micro Keyboard は上参列が、真っすぐ並んでいるが、MX1 は二列目が少しずらしてある。こちらの方が個人的には使いやすく感じた

■PC 連携 / USB ホスト機能

続いて、インターフェース周りを紹介しておこう(ダブルスロットに関しては、特筆すべき点はないので割愛させて頂く)。MX1 は、PC との連携は“PC リンクケーブル(= USB ケーブル)”によって行うことになる。しかし、筐体底部にある USB コネクターはホスト用であるため、同じく筐体底部にある I / O ポートに、クライアント用 USB コネクターを備える付属の PC リンクアダプターを取り付ける必要がある。この点はやや面倒だ(オプションではクレードルも用意されている)。

この PC リンクコネクタだが、ザウルスユーザーにとってはおなじみのもの。SL-6000 と同じ筐体を使用していることもあり、もしやと思って「SL-C760」で使用しているリラクタブルケーブル(巻き取り可能なシンクロおよび充電用ケーブル)を差し込んでみたところ、なんとすっぽりとはまってしまい、ActiveSync まで可能だった(キャプチャソフトもこのケーブルでインストール。ちなみに、ActiveSync は英語版の ver3.8)。基本は会社に持ち帰ってシンクロというのがパターンだと思われるが、出先でノート PC とシンクロさせたいという人は、ザウルス用リラクタブルケーブルを購入してみではいかがだろうか?

筐体底部。左から AC アダプター用ジャック / PC リンクコネクター / USBコネクター(mini A)となっている。その下にあるのは専用アダプターコネクターで、オプションの CF カードアダプターはここに接続するものと思われる
ザウルス用のリラクタブルケーブルを装着したところ。PDA ユーザーにはおなじみの便利なケーブルだが、まさかこんなところで役に立とうとは……

USB ホスト機能に関しては、キーボード(PFU の Happy Hacking Keyboard Lite 2)の接続しか試せなかったが、全く問題なく動作。FEP の オン / オフも可能で、至って快適なテキスト入力ができた。単体でも快適なテキスト入力は可能だが、机のある場所へは、小型の USB キーボードを携帯していくといいだろう。なお、日立のこちらのページには、同社が確認済みのバーコードスキャナや USB メモリ、キーボードなどの対応機器が掲載されている。

市販のホストケーブルでキーボードをつなぐ。筐体左側面にホスト用のコネクターがあれば、筐体を縦に置いても、ローテートして横に置いてもケーブルが邪魔にならないのだが

■液晶

半透過型のシステム液晶は、非常にクリア。輝度などは特に公開されていないようだが、最大にするとかなり明るく、まぶしいほど。4 インチと大きい上に、クリアで明るいため、VGA の解像度が“生きている”という印象を受けた。筆者が所有する h4150 と比較したのだが、やや黄色っぽい h4150 に対して、かなり青味がかっており、白色がくっきりとしている(傾向としては、デルの「Axim X30」に近いような気がする)。数ある Pocket PC の中でも、かなり上位にくる美しさと言っていいのではないだろうか。

暗い場所で最大輝度にして MX1(左)と h4150(右)を並べてみた。液晶の性質の違いがはっきりと出ている。4 インチと 3.5 インチという液晶サイズの差もよく分かる

■最後に

ちょっと残念だったのは、イヤホンマイクジャック(ヘッドフォンジャック)が 2.5mm 径のものであること。もちろん、MX1 は業務用であり、音楽を聞いたり、動画を見たりという目的で作られたものでないのは承知しているが、仕事の合間にちょっとそういうものを楽しみたいというユーザーもいると思われるので、この点は残念だ。意外にポイントの高いストラップ穴も設けられており、ほかには大きな不満点がない。

動作も、時折「あ、書き換えてるな」と感じる場面こそあるものの、全体的にはキビキビとしている。PXA255 プロセッサ 400MHz に VGA 解像度ということで、ちょっと心配したが、あまり気にする必要はないようだ。次回は、バンドルされている独自ソフトや、ソリューションとして提供される「MetaFrame」などにも触れてみたい。



写真で見る日立「FLORA-ie MX1」

Reported by タカシゲ


Last-modified: Sun, 24 May 2009 23:45:30 JST (3100d)