スマートフォン時代が今開く――ウィルコムが Windows Mobile 5.0 搭載の PHS 端末、「W-ZERO3」を発表

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2005年10月20日(木)版

スマートフォン時代が今開く――ウィルコムが Windows Mobile 5.0 搭載の PHS 端末、「W-ZERO3」を発表

【Windows Mobile 5.0 搭載 スマートフォン登場】


■Windows Mobile 5.0 搭載の PHS 端末ついに発表

今月17日に一部報道でその存在が明らかにされたウィルコムのシャープ製 Windows Mobile 5.0 搭載 PHS 端末。同社とマイクロソフト、シャープの 3 社は、20 日に開催した発表会において、“WILLCOM SIM STYLE”の新製品として、同端末――「W-ZERO3(ダブリューゼロスリー)」(WS003SH)を正式に発表した。発売日は、2005 年 12 月上旬、価格はオープン価格。メーカー希望価格は未定だが、5 万円以下での提供を予定している。

発表会にはウィルコムの八剱洋一郎氏(中央)、シャープの松本雅史氏(左)、マイクロソフトのダレン・ヒューストン氏が出席
こちらが W-SIM による PHS 通信が可能な「W-ZERO3」。写真は筐体右からスライド式のキーボードを引き出した状態だ

W-ZERO3 は、“WILLCOM SIM STYLE”の新製品。PHS の無線部分をモジュール化して汎用性を高め、さまざまな製品に組み込めるようにした多機能通信モジュール「W-SIM(ウィルコムシム)」に対応する。W-ZERO3 は、国内では初めて OS に Windows Mobile を搭載し、PDA と携帯電話機能を融合させた、いわゆる“スマートフォン”だ。すでに日本でも Symbian OS を搭載したボーダフォン「702K」、NTT ドコモ「M1000」など“PDA 的な機能を持ったケータイ”は存在するが、今回の端末は、Windows Mobile の採用、キーボード内蔵など、PDA としての側面を強く打ち出した、よりスマートフォンらしい端末と言える。もちろん、携帯電話としての側面を持つため、メールなどもプッシュ式で自動的に受信できる。

OS が最新の Windows Mobile 5.0 ということもあり、Word や Excel、Powerpoint、PDF(Picsel PDF Viewer)など、パソコン向けのオフィスファイルもネイティブに編集・閲覧が可能。また、Flash ファイル再生対応のインターネットブラウザ採用、JBlend の AVA 実行環境による最新ケータイアプリへの対応など、Windows Mobile を搭載した Pocket PC 以上に幅広いファイル・コンテンツに対応している。Outlook との連携ももちろん、携帯電話や、Symbian / Palm OS 搭載機とは異なり、手軽にパソコンとやり取りができる。最新の「Windows Media Player 10 Mobile for Pocket PC」によって、DRM10 に対応しており、保護された音楽・ストリーミング動画ファイルの再生なども可能だ。また、XMDF 形式の電子書籍ファイルにも対応しており、3.7 インチ / VGA の大きく、高精細な画面で小説や学習コンテンツを楽しめる。

■ケータイとしては初めて VGA 液晶とスライド式フルキーボード採用

液晶には視野角 160 度、 3.7 インチの VGA(640×480 ドット)モバイル ASV 液晶を搭載しており、携帯電話として考えた場合、初の VGA 液晶搭載機となる。また、国内一般市場向けの Windows Mobile 搭載機として、また携帯電話としても初めて、スライド式の QWERTY 形式フルキーボードを搭載している。キーボードは、本体の右側からスライドさせるタイプで、利用時には画面をローテートさせて使うことになる。

キーボードは QWERTY 形式のフルキーボード。スペースキーの配置などにややクセがあり、打ちやすさに関しては意見が分かれそうだ
携帯電話として利用する時はこのスタイルで。通話の際は、シャープが独自に制作したソフトで行うとのこと

VGA 液晶を搭載していることもあって、本体サイズは、幅 70mm × 高さ 130mm × 奥行 26mm、重量約 220g とやや大ぶり。サイズ的に近いところを挙げると、HP の「HP iPAQ hx4700 Pocket PC」(幅 77mm × 高さ 131mm × 奥行 15mm)だろうか。また、スライド式キーボードを内蔵しているため、奥行きは hx4700 よりも丸々 1cm 大きい。外部スロットには、miniSD を採用。メーカー公称値では、最大 512MB までの miniSD カード対応になっているが、今後 1GB、2GB といったさらに大容量のものが出てきたとしても、恐らく使用に問題はないだろう。CPU は、PXA270 プロセッサの 416MHz を搭載。メモリは Flash 128MB(本体システム領域含む)/ SDRAM 64MB(ワークエリア)となっている。

■データ通信カードとしての利用も可能

音声通話には、W-SIM の PHS 機能を利用する。また、PDX E メールなどのウィルコムが提供する各種サービスにも対応している。USB ケーブルを介してパソコンに接続することで、128kbps(4xパケット方式)の AIR-EDGE カードとして機能する“AIR-EDGE モデム機能”を備えているのも、見逃せない特徴の一つだろう。単体でメール、報告書作成などのちょっとした作業をする時は Windows Mobile で、資料作成などの本格的な作業をノートパソコンでしている時は、外出時の通信用カードとして利用できる。携帯電話としての連続通話時間は 5 時間。電波状態ランプ消灯時の連続待ち受け時間は 200 時間となっている。

一部 PDA ユーザーの間で支持されているBluetooth は残念ながら搭載されていないようだが、無線 LAN 機能(802.11b)を搭載しており、通信面では問題ないだろう。このほかの機能としては、133 万画素の CMOS カメラを搭載している。

今回の新製品に合わせて、W-ZERO3 向けのオプションプランとして“ウィルコム無線 LAN オプション”も発表された。同プランは、NTT コミュニケーションズの“HOTSPOT”が利用できるプランで、8x パケットの AIR-EDGE PRO ユーザーであれば無料で、4x パケットの AIR-EDGE ユーザーおよびデータ定額ユーザーは、月額 700 円(税込)で利用可能だ。なお、W-ZERO3 購入者は、2006 年 5 月末まで試験期間として無料で同オプションが利用可能。

W-SIM(PHS)による音声通話、最新の Windows Mobile 5.0 によるほかのスマートフォンでは得られない PDA としての、マルチメディア&オフィスデータビューアとしての使い勝手の良さ――まさにこれまでに登場したすべての携帯電話や PDA を吹き飛ばすほどのパワーを秘めた端末だ。まだまだ詳細が明らかにされていない部分も多いので、続報を期待したいところだ。



スマートフォン時代が今開く――ウィルコムが Windows Mobile 5.0 搭載の PHS 端末、「W-ZERO3」を発表

Reported by タカシゲ


Last-modified: Sun, 24 May 2009 23:45:30 JST (2556d)