次期 WindowsCE のベータ版が登場 コードネーム「Talisker」

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2001年4月16日(月)版

次期 WindowsCE のベータ版が登場 コードネーム「Talisker」

2002年に向かって進化する WindowsCE


■ はじめに

 先週、4月10日、マイクロソフトは、「WindowsCE OS Version3.0」の次期バージョンとして、コードネーム「Talisker」 を発表した。
 順調に開発が進めば、今年後半にも「WindowsCE OS Version4.0」として登場する OS となる。日本では、iPAQ 日本語版の登場と重なったため、注目度が低くなってしまったが、今一度この新しいベータ版のプレスリリース記事を読みながら、「Talisker」の新しくなったところを見てみよう。

■ Talisker の新機能

 プレスリリースによれば、Talisker では、現在の WindowsCE OS Version3.0 に比べて下記のような部分について新しくなると言う。

  • Bluetooth のネイティブ・サポート
  • UPnP (Universal Plug and Play) のサポート
  • 新しい USBドライバサポート
  • DVD サポート
  • SSLをサポートする HTTP サーバー機能
  • リアルタイム処理機能の強化

 実際のところ、現在マイクロソフトの Web サイト上にはこれ以上の情報がないため、USBドライバとして何が増えるのかや、リアルタイム処理機能が具体的にどのように強化されるのかといった点については不明である。

 また、米国の CNET などによれば、次期 WindowsCE では、インスタント・メッセージング機能(MSN Messenger) と、MSN Passport 認証機能が標準で組み込まれるとも言う。

■ 次世代 PocketPC に搭載されると嬉しい機能

 それでは、この新しいバージョンの WindowsCE が登場することによって、現在の PocketPC などの姿はどのように変化するだろうか? あくまでも予測に過ぎないが、技術の面から見ると下記のようなことが言えるだろう、というくらいのつもりで読んでほしい。

 使い勝手の上で、大きいのは、「Bluetooth」のサポートと、「UPnP」のサポートである。

◎ Bluetooth

 Bluetooth は、WindowsCE FAN のユーザーの方なら多くの方がご存知と思われるが、現在、世界中のメーカーの協力の下、標準化が進められている。(一応「標準」とされているものはすでに出荷されているが、互換性に問題がある)
 これは、小型の無線通信デバイスで、身の回りの周辺機器同士を簡単に接続できるようにするための規格だ。Bluetooth に対応している機器同士は、わずらわしいケーブルで接続する必要がなくなる。例えば、鞄の中に、Bluetooth 対応の携帯電話が入っているとしよう。すると、鞄から取り出した Bluetooth 対応の PocketPC なら、携帯電話接続ケーブルなどを利用することなく、ダイヤルアップ接続ができてしまうのだ。PocketPC から携帯電話までが Bluetooth で接続され、携帯電話からは、普通の電話でダイヤルアップされるというわけだ。
 この他にも、次世代の PocketPC が対応するかどうかは分からないが、Bluetooth 対応プリンタで印刷したり、Bluetooth 対応パソコンと同期したりということがケーブルレスで実現される。現在、家庭内で無線LAN をご利用の方なら、それと同じことが今よりももう少し便利にできるようになると考えればよいだろう。

◎ UPnP (Universal Plug and Play)

 UPnP (Universal Plug and Play) は、パソコンではすっかり普及した「Plug and Play」を、さらに幅広くネットワーク接続の周辺機器にまで広げる技術だ。
 Windws95/98/Windows2000 などに標準に組み込まれている「Plug and Play」はすっかりお馴染みになってしまってありがたみを感じていないかもしれない。しかし、この「PnP」が登場するまでは、マウス一つでも接続したら、設定ファイルを手動で変更してやったり、ドライバを追加してやらないと使えるようにならなかった。今は、マウスは USBポートへ差し込むと、自動認識された上に、勝手にドライバがインストールされる。プリンタも、メモリカードも、モデムも、最近では液晶モニタなども自動認識して、どんどん勝手に使えるようになってしまう。

 UPnP は、この自動認識する機能をネットワーク上にまで広げてしまう技術だ。例えば、家庭の中に LAN があったとしよう。3台のPC がつながっている LAN の中に、ネットワーク接続できるプリンタを設置し、Ethernet のケーブルを差し込んだとしよう。すると、プリンタは自分から、「僕はこんな性能のプリンタだよ」ということを、ネットワーク上にアピールする。すると、PC はそのメッセージを受け取って、自動的にプリンタが使えるようになるというわけだ。他にも、スキャナや、MP3オーディオ/ステレオ、テレビなどがこうした機能に対応すると見られている。

 「Bluetooth」「UPnP」、この二つの機能を利用すると、PocketPC は、今よりもっとスムーズにパソコンに接続されることになる。PocketPC をもって自分の机に近づくと、自動的に同期処理が行われる。クレードルに差し込んだりする必要はない。(充電は必要だけど)
 また、PocketPC を、家庭の中の MP3ステレオのプレイリストを編集したり、ボリュームを動かす高機能リモコンとして使えるようになるかもしれない。
 HDDレコーダと組み合わせれば、テレビ番組表を見ながら、予約の編集などができる。

 DVD 機能などは、PocketPC ではサポートされないだろうし、H/PC などでも搭載するものはでてこないだろう。むしろ、松下電器が発売したようなインターネット対応の DVDプレーヤーのようなものに、組み込まれる形で WindowsCE OS を利用するという形になると思われる。

■ Talisker を利用したデバイスの登場はいつ?

 「Talisker」が一般向けに登場するのはいつ頃になるだろうか? 冒頭にも書いたとおり、マイクロソフトの予定では、2001年末となる。実際には、もう少し遅れて 2002年の初頭となるに違いない。同じ時期には、TabletPC の最初のバージョン (ベータ版かもしれない) も登場するだろうから、2001年度末(すなわち 2002年3月) くらいになってしまう可能性は高い。

 ただし、この Talisker の登場前には新しい PocketPC が登場しないかと言うと、そうとも言い切れない。

 というのは、PocketPC は、WindowsCE OS Version3.0 を利用しているが製品の登場は4月だった。逆に WindowsCE OS Version 3.0 が出荷されたのは、6月だったのだ。これは、PocketPC で利用する部分が、WindowsCE OS Version 3.0 の一部だったからである。WindowsCE OS Version 3.0 は、その中に HTTP サーバーなど多くの機能がある上に、サポートしている CPU も多い。このため、全体を完成させるのには時間がかかった。しかし、機能を限定した PocketPC 用のサブセットは先に完了させることができたのだ。

 これと同じことが Talisker の時にも起こる可能性は十分考えられる。今年の夏には、ライバルである Palm が OS4.0 を出荷してくる。これを考えると、マイクロソフトの次世代 PocketPC も、米国版は年内遅くに登場するのではないだろうか?

 先のことをあれこれ考えても仕方がないところではあるが、今年もまた楽しみな年になりそうだ。



次期 WindowsCE のベータ版が登場 コードネーム「Talisker」

Reported by けいたん


Last-modified: Sun, 24 May 2009 23:45:30 JST (3767d)