WindowsCE内蔵ネットワークプロジェクタ ソニー VPL-FX50

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2001年5月9日(水)版

WindowsCE内蔵ネットワークプロジェクタ ソニー VPL-FX50

広がる WindowsCE OSの世界

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ソニーらしいスマートなデザイン

■ はじめに

 しつこい前置きになってきたが、Microsoft Windows Embedded Developers Conference 会場からのレポートをお届けしているところだ。普段そうとは意識されないが、WindowsCE OS を利用した数々のデバイスが展示されている中から特徴的なものを選択して紹介している。

■ ネットワーク・LCDデータプロジェクタ

 紹介するソニー製液晶プロジェクタ VPL-FX50 は、別名「LCDデータプロジェクタ」という製品カテゴリがつけられている新しい発想の製品だ。いわゆるスクリーンに画像を投影する「液晶プロジェクタ」というのは、パソコンから見たときには「ディスプレイ」の代わりになるデバイスなのだが、この LCDデータプロジェクタというのは、それ単体が、WindowsCE OS で動作する単体で動くデバイスだ。内部に PowerPoint のファイルをコピーしておけば、このプロジェクタだけで、パソコンなしに、PowerPoint のスライドショーが上映できる。ちょっと正確な言い回しではないが、液晶プロジェクタ投影機能のついたハンドヘルドPC のようなものだ。正確でないというのは、実際には、このプロジェクタは Handheld PC ではないからだ。VPL-FX50 は、Platform Builder と、独自のアプリケーションが盛り込まれた強力な「ネットワーク・プレゼンテーション専用端末」として設計されている。
 マイクロソフトのCEO スティーブ・バルマーの基調講演の中でも「ネットワーク・プロジェクタ」という名称で、このプロジェクタの中に PowerPoint のプレゼンテーションファイルをコピーするシーンがあった。

■ 何ができるの? VPL-FX50

 それでは、さっそく、新しい発想のプレゼンテーション端末 = ネットワーク LCDデータプロジェクタ「VPL-FX50」の機能を見てみよう。

 まず、当然だが、普通のプロジェクタとして使うことができる。
 具体的には、

  • ビデオ入力
  • デジタル/アナログRGB

の信号入力を持っている。

 さらに、外見上の特徴なのが、

  • 10BASE-T LANインターフェース

を持っていることだ。

 さらに、プロジェクタとしては異例だが、汎用に使える PCカードスロット も持っている。ここにメモリカードを差し込むこともできそうだ。

 こうした豊富なインターフェースを使って、VPL-FX50 には、LAN経由で、Excel や、PowerPoint といったデータを記録することが出来る。LAN 上のファイルサーバーにファイルをコピーする感覚だ。その上で、遠隔地にあるパソコンから、プレゼンテーション開始などのコマンドを送ると、プロジェクタ上で、プレゼンテーションが操作できるというわけだ。また、VPL-FX50 自体には、Pocket Internet Exlorer が内蔵されているため、VPL-FX50 単体で「ネットサーフィン」することも可能 だ。

 このような形で、VPL-FX50 が再生できるフォーマットには、下記のようなものがある。

  • Microsoft PowerPoint
  • Microsoft Excel
  • Microsoft Word
  • JPEG
  • HTML (Webページ)

 ちなみに、PowerPoint、Excel ともに H/PC2000 のものよりは一ランク高いものらしい。例えば、PowerPoint は、JPEG画像や、ベクトル図形、アニメーションなどがサポートされていたり、Excel ではグラフがサポートされていたりするようだ。


■ 液晶プロジェクタに WindowsCE?

 上記にも書いたように、VPL-FX50 のコンセプトは「ネットワーク・プレゼンテーション・デバイス(※ プレゼンテーションの中では「ネットワーク・プロジェクタ」と言われていた)」だ。そのためのプラットフォームOS として、結果的に採用されたのが、WindowsCE OS だったわけだ。

 採用のポイントになっているのは、おおむね下記のような点だろうと推測できる。

  • PowerPoint や、Excel などの Office プレゼンテーションが可能。
    ※ 実際には、H/PC2000 などの PowerPoint などよりも高機能なようだ。Excelもグラフなどがサポートされているようだ。
  • Web Server機能を利用して、VPL-FX50 を、リモートのパソコンから、ウェブページでコントロールすることができる
  • ネットワーク・ファイルサーバーの機能がある
  • Internet Explorer で、Webサーフィンの機能がある

 ただし、カタログには、「WindowsCE OS」という単語はまったく現れてこない。あくまでも、ソニーの「ネットワーク・プロジェクタ」であり、WindowsCE は、そのための実現手段として、最適なものだったに過ぎないということなのだろう。


■ 他にも強力な機能がてんこもり

 ちなみに、この VPL-FX50 には、以上紹介した他にも、プロジェクタとしても、ネットワーク端末としても、強力な機能が盛り込まれている。

  • I/Pコンバージョン
    インターレースで入力された画像信号をプログレッシブに変換
  • フロント/リア投影に対応
    スクリーンに正面から投影してもよいし、背面から投影することもできる。また、鏡面経由の投影なども可能らしい
  • スタック対応
    複数のプロジェクタを重ねて、同じ画像を表示する機能に対応。映像を明るく表示させることが可能。
  • スキャンコンバーター
    HDTVなども高品質に投影可能。

■ ソニーは、このプロジェクタにどんな未来をみているのか?

 さて、以上のように非常にユニークかつ、強力な機能を持った VPL-FX50 だが、XGA が投影できる機能を持ったただのプロジェクタと価格ははるかに高い。定価で、168万円というのは、おいそれと興味本位で購入できるものではないだろう。

 ここからは完全に筆者の想像だが、今回の VPL-FX50 は、ソニーにとっては、まだまだコンセプト途上の製品だ。こうした製品を、まずは世に問うたことで、ソニーはまた新しい製品ジャンルを切り開いたことになる。おそらく、この新しいコンセプトに共感した、さまざまなベンチャー企業や、利用者のアイデア/意見を反映させて、次世代製品を投入してくるはずだ。

 次期バージョンでは、現在の PowerPoint をはじめとする Office ファイルの再性機能などに加え、

  • 電子ホワイトボード
  • 電子会議機能 (チャットやメモ交換)

などが盛り込まれてくるのではないだろうか? こうなってくると、テレビ会議システムと、電子ホワイトボードと、液晶プロジェクタなどを組み合わせた、究極のリモート会議ツールに成長していくのは時間の問題だ。

 これから、2年くらいかけて、製品が3世代くらい経つ頃には、われわれ一般ユーザーから、いかにも「ソニーらしい」と思える製品になるのではないか。もしかすると、CLIE の将来機は、WindowsCE 4.0 ベースなどになって、VAIO ノートも合わせたソニーの一大 IT製品群になっていくのではないか。

 現在のプロジェクタ一台で、ここまで考えるのは、ちょっと先走りすぎだが、そんな将来を想起させるいいデバイスが、WindowsCE OS からは生まれるのだ勝手に結論付けてみた。



Reported by けいたん


Last-modified: Sun, 24 May 2009 23:45:30 JST (3621d)