NEC新製品発表会 話題の新PDAに迫る!

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2001年7月13日(金)版

NEC新製品発表会 話題の新PDAに迫る!

ついにNECからパームサイズ機が!


■NEC 新製品発表会突撃レポート!

 既に各ニュースサイトなどでは報じられているように、日本パソコンメーカーの雄・NECが遂にパームサイズの PDA を発表した。NEC といえば、Mobile Gear シリーズで長らく CE 界の先陣を切ってきた会社。その NEC が久々にペンベースデバイスに参入するというニュースは業界にかなりの衝撃を与えたようだ。
 WindowsCE FANもこの新製品発表会に参加してきたので、そこで展示されていたものをレポートしよう。

参考出展されたモックアップ。全体的な印象はCLIEっぽい?
ガラスケースに囲まれているので、小ささがイマイチ伝わりにくい

 
■スペックから見る新PDA

スペックのうち、明らかにされたのは


  • OS Windows CE( PocketPC なのかは明らかにされず)
  • CPU StrongARM 206MHz
  • CF/SDの2スロット搭載
  • 価格は他社並み
  • 年内出荷を予定

という程度。掲示板でも話題になっていたように、筆者も「NEC 製なのになぜ MIPS でないのか?」を疑問に思ったので質問してみたところ、「いやあ、いろいろ事情がありまして」と逃げられてしまった。おそらく、消費電力・価格その他の要素を勘案して決められたことだとは思うが、製造元の NEC も MIPS を採用しないだけの理由があるとなると、今後発売されるデバイスでも StrongARM 搭載の流れが加速することは必至だろう。

 OSについては、「Windows CE」としか明らかにされなかった。それでは具体的に何が搭載されるのか?を考える際にヒントとなるのが、価格と出荷予定時期だ。まず、価格が他社並みであることから、OSのライセンス料はおそらく PocketPC と同レベルだろう。ならば PocketPC なのか?というとそうとも限らない。年末と言えば、スケジュール通りならばWindows CE 4.0がリリースされた直後。ひょっとしてひょっとすると、PocketPC の次期バージョンが搭載される可能性もあるかも?

 この製品が iPAQ キラーとなりうるとすれば、そのポイントの一つはCF/SDの2スロット。これまでの PocketPC では不可能だった(iPAQ では可能だが、かなり巨大なオプションが必要)ストレージと通信カードの同時利用を本体のみで可能にしているのだ。この点だけでも、他社製品からの乗り換え需要が喚起できるのは間違いない。

 また、通信絡みの製品コンセプトの一つとして「Push型情報配信サービス」が挙げられていた。このサービスについての具体的内容までは言及されなかったが、これまで失敗してきたものとは異なり、ドコモのi-modeメールのように「ユーザーの求める何か」を提供していきたい、との考えが述べられた。P-in Comp@ct が対応しているという、プッシュ型メール配信サービスのようなものなのかもしれない。

■モックアップから見る新PDA

 デザインは、写真で見ると分かるようにかなりソリッド。パッと見には SONY の CLIE にそっくりだ。ただ、カラーリングは CLIE のホワイトシルバーに比べてグレーが強く、NEC のノートパソコンに似た落ち着いた印象になっている。実際に触ってみないと何とも言えない面もあるが、これまで発売された PocketPC の中でもトップクラスのの質感を漂わせる佇まいだ。未だ開発途中のモックアップ(模型)とのことで、製品版が同じデザインになるかどうかは全く不明なものの、ぜひこの雰囲気を保った製品となるように期待したい。

 気になる筐体サイズだが、少なくとも現段階においては CLIE +αくらいの印象だった。おそらく、現行 PocketPC 中ではジャケット無し iPAQ と並んで最小レベルだろう。このコンパクトさで2スロットを内蔵、ということになれば素晴らしい。

 ボタンの配置はiPAQ と同じで、筐体中央部にカーソルボタンがあり、左右対称にアプリケーション起動ボタンがある。カーソルボタンが iPAQ のように押せるのか、スピーカーも兼ねているのか、などは不明。また、筐体左側側面にはアクションコントロールらしきボタンが存在する。iPAQ で不満の一つとして挙げられていたのがアクションコントロールが無いという点だっただけに、搭載されれば歓迎されることは間違いないだろう。

ボタン配置拡大。ボタンは大きく、比較的押しやすそうだ
アクションコントロールらしきダイヤルが見える。下部にはSDカードスロットが
 
 さらに話を聞いてみたところ、「発表時には、さらにビックリさせるようなネタがいくつかある」らしい。どんなネタなのかは不明とはいうものの、ぜひ期待させていただきたい。予想としては Bluetooth 搭載?無線 LAN 搭載?などいろいろあるが、当然ながら質問してみても全て笑ってかわされてしまいました(^^;

 現段階で発表されている情報を総合すると、この新PDA はこれまで発売された機種を入念に研究し、欠点を地道に潰していった完成度の高い堅実なモデルだと言える。ただ、その堅実さを裏返してみると、あまり「新しさ」や「個性」が感じられなかったのも事実。後述のようにソリューションの一部として利用される際には「堅実であること」自体が大きなメリットとなりうるが、個人ユースで「買うかどうか」を決定するのは製品の個性であることも多い。何か一つ飛び抜けた個性が欲しいところだが、上記の「隠し玉」に新要素が含まれているのかもしれない。

筐体上部。ヘッドフォンジャック、赤外線ポートらしき部分もある
筐体上部に取り付ける液晶保護カバーのようだ。このあたりはVisor Edgeに似ている?

 
■ソリューション製品としての魅力

 発表会を見た限りにおいては、どうやらこのPDAはコンシューマよりもむしろビジネスソリューションへ組み込む用途を重視しているような印象を受けた。今日のソリューションビジネスにおいては、何らかの形でネットワークを利用するのは当たり前。そのソリューションに組み込むモバイル機器にしても、もはやネットワークに接続する(しかも、必然的にワイヤレスで!)機能がなければ話にならないと言ってよい。
・ワイヤレスでネットワークに繋ぐ機能
・アプリケーションを作成しやすい開発環境
・大容量データを扱うためのストレージ
という「ソリューションに要求される条件」を考えると、NEC が Windows CEを採用した理由も明らかになってくる。SD/CFの2スロットを搭載したのも、SDでストレージを使用しつつCFでネットワークインターフェースを提供するという意図があってのことだろう。この2スロットを搭載することの実用性は、既に Zaurus MI-E1/L1 が明らかにした通りだ。発表会の質疑応答で NEC 幹部が IBM を引き合いに出して述べていたように、先行してソリューションへ注力していた Palm は未だに浸透しきれていない。その理由としては、Palm OS 搭載機がCF/SDのようなI/Oを搭載するのが遅れ、上記の条件を満たすのが難しいことが挙げられるだろう。実際、話を聞いてみたところ「開発段階では、Palm OS も EPOC OS も TRON もすべて視野に入れて検討した。その中で、用途に最も適合したのがWindows CE だった」とのこと。PIM 用途で Palm が優れているのは間違いない(筆者も、未だに PIM のメインは Palm だ)が、それと企業向けソリューションとは話が別なのだ。

 NEC がソリューション用クライアントとしてPDAを発表したことで、今後の PDA が企業用途を意識する流れは一層加速されるだろう。モバイルギアにしても、店頭売り上げランキングに出てくることこそ少ないものの、企業向け納入はかなり好調だという。

 「PocketPC なのではないか?」としばらく前から噂になっている東芝の新PDAも、個人ユースよりも大きいとされる企業ユースを意識したものになるのかもしれない。それでも、このサイトを見ている方々の大半を占めるであろう個人ユーザーのことも忘れないでね、と述べておくことにしよう。



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Reported by square


Last-modified: Sun, 24 May 2009 23:45:30 JST (3742d)