発売半年、iPAQ 徹底チェック 第3回 追いつかれた世界最強 iPAQ Pocket PC

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2001年9月17日(月)版

発売半年、iPAQ 徹底チェック 第3回 追いつかれた世界最強 iPAQ Pocket PC

発売から半年経過したコンパックの iPAQ PocketPC

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■ 他社に追いつかれた世界最強 iPAQ Pocket PC

 各社から新しい Pocket PC が登場しても、相変わらず高い人気を持つ iPAQ の徹底検証を行っている。2000年4月に登場した時点では、他の Pocket PC に比べて、飛び抜けたスペックを誇り、バックオーダーの山を築いた iPAQ だが、今は、Pocket PCメーカーにとって、iPAQ は超えなければならない & 少なくとも並ばなくてはならない目標である。後発のメーカーには、ユーザーの観点からは、iPAQ を意識していると思われる製品もある。

 というわけで、発売後、他社の努力により、iPAQ がすでに世界最強ではない点を明らかにする。iPAQ の発売時に、WindowsCE FAN のレビューでも取り上げた特徴の中では、下記の項目が該当する。

  • 高性能な Strong ARM CPU 206MHz
  • 反射型 TFT液晶パネル
  • 豊富な付属アプリケーション

登場時は最速だった iPAQ は今や Pocket PC の標準だ。

■ 高性能な Strong ARM CPU 206MHz

 登場した当時、Strong ARM CPU 206MHz のパフォーマンスは圧倒的だったと言ってよい。その他の Pocket PC も、それまでの Palm-size PC と比較するとまったくストレスのないものだったのだが、iPAQ 英語版を初めて触ったときの「キビキビ感」は今でも印象に残っている。米国では、iPAQ のせいで、Palm のシェアが減少しているが (絶対数ではまだ Palm が多い) それもうなづける気がする。Palm は機能はシンプルだが、ユーザーレスポンスがいいことで支持を伸ばした。WindowsCE機は機能が多いので、砂時計がでるだの、重いだのと揶揄されることが多かったが、iPAQ では、高機能にして、レスポンスがよかった。そして、それは、後発のメーカー、新機種を開発するメーカーにとって、このパフォーマンスが目標となった。

 結果として、まず、東芝 GENIO e550 が、iPAQ と同じ「Strong ARM 206MHz」を採用した上、フラッシュROM の採用を行った。(ただし、Pocket PC 2002 への対応は前向きに検討という状態) カシオ CASSIOPEIA E-750 は「Vr4131 200MHz」と単純クロック数こそ iPAQ に及ばないものの、その画面描画や、ビデオ再生のパフォーマンスは iPAQ を超える面もある。さらに、CASSIOPEIA E-750 では、安定性も iPAQ 以上という印象を受ける。

 また、この原稿を書いている (9/16 現在では) Pocket PC かどうかはまだはっきりしないものの NEC の新型 PDA も「Strong ARM」を採用することが決まっているようだ。

 そして、先週発表された hp jornada560 シリーズでも、CPU として Strong ARM 206MHz が採用された。(これは、前項でも述べたが Pocket PC 2002 が Strong ARM しかサポートしないためである)

 というわけで、Strong ARM 206MHz は、Pocket PC 2002 でも現役の安心感のある CPU ではありながら、他社に比べての特徴はなくなってしまった。

 少なくも、パフォーマンスだけを見れば、すでに iPAQ は唯一の「世界最強」ではない。世界標準なのだ。

反射型液晶は屋外での利用に最適。フロントライトとの併用で室内・夜中もOK

■ 反射型カラー TFT液晶パネル

 また、iPAQ の大きな特徴の一つだったのは「反射型カラー TFT液晶パネル」を採用したことだ。異論もあるようだが、反射型でないカラー液晶パネルは、いずれの屋外では見えにくい。まったく見えないかといわれれば、曇っていれば十分見えると思うが、夏の晴天下にストレスを感じずに見ることはほぼ不可能だ。

 この点、iPAQ は、真夏の炎天下でも、いやむしろ、明るいほど画面がよく見える。特に、地図アプリケーションや、インターネットの地図サービスを利用する時には、歩きながら、地図を参照できるため「反射型液晶でよかったー」と思える。

 というわけで、筆者としては、この「反射型液晶」を採用したことも、iPAQ の世界最強の理由の一つだと思っていたが、この点でもすでに東芝「GENIO e550」が、同じ反射型 TFT液晶で、65,536色を実現している。iPAQ は、4,096色とすでにスペックとしては一ランク落ちてしまう。ハードウエア掲示板に寄せられたコメントの中には、「iPAQ の液晶の方が、GENIO e550 より一回り大きくて見やすい」という意見がある一方で、「やっぱり 6万色はきれい」という声もある。一概には言えないだろうが、グラデーションなどをみると、やはり 6万色に軍配があがるような気はする。

■ 豊富な付属アプリケーション

 発売前に iPAQ のレビューを掲載した時には、iPAQ の特徴として、豊富な付属アプリケーションを挙げたと思う。しかし、CASSIOPEIA E-750 や、東芝 GENIO e550 が、多くのアプリケーションを ROM に搭載してきたのに比べると、CD-ROM で多くのアプリケーションが添付されているのは、若干見劣りがするところだろう。特に、ビデオ再生のできるプレーヤーが ROM に搭載されていないのは、iPAQ だけで、実用性はともかく、スペック的には残念だ。

■ まとめ

 単純にみると、後発メーカーが頑張って、iPAQ に追いついた、追い越したという内容だが、裏返して iPAQ を持ち上げると、iPAQ こそが2001年のスタンダード Pocket PC を作り上げたともいえる。未だに、iPAQ を大きく超えるものは登場していないというのは、個人的には、この技術の進歩が早いこの業界にあっては驚きである。インテルの Strong ARM に 206MHz を超える製品が登場しなかったことも大きいだろうが、技術的な関心から言えば、それは残念なことでもある。じきに 400MHz を超える後継 CPU 「Xscale」が登場する予定だが、まだ詳細な時期は未確定のようである。

 さて、続いて、iPAQ を買う前に知っておきたい、iPAQ の弱点も明らかにしよう。






発売半年、iPAQ 徹底チェック 第3回 追いつかれた世界最強 iPAQ Pocket PC


Reported by けいたん


Last-modified: Sun, 24 May 2009 23:45:30 JST (3767d)