PHSデータカードで疑似無線LANを構築しよう(前編)

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2001年9月17日(月)版

PHSデータカードで疑似無線LANを構築しよう(前編)

iPAQでも今すぐ無線ネット

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■はじめに

 現在,世間では無線LANが大流行中だ.カードやアクセスポイントの価格も以前よりは飛躍的に安くなっており,導入にかかるコストも手間も以前より大幅に軽減された.CE機でも使用できる無線LANカードも登場しており,掲示板を見ると既に利用されている方も多数いらっしゃるようだ.「ワイヤレスで家のどこにでも持ち運べる」という無線LANのメリットを生かすには,ノートパソコンよりむしろCE機の方が適しているのかもしれない.さらに,常時接続と無線LANを組み合わせれば,「家中どこでもインターネットし放題」の魅力的環境が手に入るのだ.
しかし,残念ながら現時点(2001年9月)では CF タイプの無線LANカードは製品化されていない(10月には発売予定).ということは,iPAQ(&CFジャケット) や G-FORT,シグマリオンのようにCF スロットしか搭載していないマシンでは,ワイヤレスで LAN やインターネットに接続することはできないのだろうか?
 実際には,P-in Comp@ct などの CF 型端末を活用することで,「繋ぎ放題&ワイヤレス」の環境を手に入れることは可能だ.その方法には大きく分けて二種類ある.

  • Atrem IWX70 など,PHS を子機登録可能な TA を経由してフレッツISDNに接続する.この方法は比較的簡単で単純だが,現在既に(ダイアルアップ)ルータを導入しているような環境では導入しにくく,しかもそのままでは LAN にはアクセスできない.さらに,一度に二台以上の端末で接続することも不可能だ.詳しい方法は,ZDNet Mobileの記事「PHSの知られざる活用法(下)「“フレッツ・PHS”でPDAの常時接続を実現する」」
    を参照していただきたい.最大の問題は,「ISDNでないと使用できない」ことかもしれないが…

  • もう一つの方法は,PHS の内線通話機能(トランシーバモード)を利用し,ネットワークに接続されている PC を経由して外部ネットワークにアクセスする方法だ.この方法では必要な機材が多く,設定も上の方法に比べてやや煩雑な反面,無線 LAN に近いレベルの自由な運用性が実現できる.また,本物の無線LANを導入するのに比べればかなり低コストで環境を作れるというメリットもある.ここでは,この方法でCE機を利用して繋ぎ放題環境を実現するための手順を解説しよう.なお,ここではCE機を利用したが,ノートパソコンでも Zaurus MI-E1 でも,とにかく P-in シリーズが挿さるマシンであれば基本的に利用可能である.

■メリットは?

わざわざ機材を用意してまでこのような通信方法を試す必要はどこにあるのか?という意味を,無線LANとの比較で見てみよう.

・とにかく安価
無線 LAN カードを使う場合,最低でも無線 LAN カード+アクセスポイントが必要となる.いくら無線 LAN の構築費用が安価になったとは言っても,これらの設備には最低でも3〜4万円程度はかかってしまうだろう.それに比べて,この PHS 接続では上手くすれば合計1万円強で無線接続を実現できる.すでにP-in Comp@ctなどのカードを持っていれば,初期費用をさらに抑えることも可能だ.

・無線LANでは速すぎる
無線 LAN では11Mbpsの規格が主流だが,この速度はCE機には勿体ない.いくらネットワークが速くなっても,ブラウザやメーラーなどの処理速度の面でボトルネックが存在するため,PHS接続による32kbps通信でも体感速度がそれほど変わらないのである.とにかく「ワイヤレスで常にインターネットに繋ぎっぱなしにする」ことだけを目的にするのであれば,速度面で無線 LAN を導入する必要はあまり感じられない.

■トランシーバ(TR)モードの問題点

一見それほど欠点がなさそうに見えるこの接続方法だが,PHS のトランシーバモード規格自体にいくつかの制約があるので若干の注意が必要だ.

・通信速度が最高32Kbpsに制限される
フレッツISDNを共用するだけなら大きな問題にはならないが,無線LAN もどきとして ActiveSync を行ったりする場合にはシリアル接続以下の速度になってしまう.あくまで,インターネットを見るために使うと割り切った方がよさそうだ.

・通信開始から3分ごとに数秒の無通信時間がある
Webブラウジングやメールに使用するだけなら問題にならないが,例えばネットワークゲームのようにタイムラグが致命的な用途には不向きだ.もっとも,接続自体が切断されるわけではないので,通常使用において気になることはほとんどない.

・ダイヤルが必要
無線 LAN のように,PDAの電源を入れればすぐにネットワークに繋がった状態!というわけではなく,あくまでダイヤル動作は必要となる.従って,電源を入れてすぐに利用したい!という場合にはやや面倒なことは事実だ.

なお,この記事は掲示板の情報を元に作成しました.(Thanks!>○うさん)

それでは,次回は必要な機材&具体的な接続方法について解説しよう.





PHSデータカードで疑似無線LANを構築しよう(前編)


Reported by square


Last-modified: Sun, 24 May 2009 23:45:30 JST (2956d)