フォークリフトにもWindowsCE端末 日本アビオニクス社「プレアデス」

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2001年12月27日(木)版

フォークリフトにもWindowsCE端末 日本アビオニクス社「プレアデス」

知らなかった!ということも多いんです。こんなところにもWindowsCE!


■ はじめに
写真1:フォークリフト上でWindowsCEが大活躍!

 2001年はWindowsCEベースのPocketPCが多数出荷され市場をにぎわせた年だった。組み込み分野でもWindowsCEは搭載機は増えつつある。普段便利に使っている装置なのにWindowsCEの存在に気がつかないでいることも多い。日常生活の方面では、WindowsCEの存在を知らなくても使えるポケットポストペットはその一例だろう。また、仕事の方面に目を向けても業務用機種でWindowsCEを搭載している場合は少なくない。なかなか気がつきにくいのだが、たとえば物流の世界でも活躍している機種がある。

■ フォークリフトにWindowsCEが!

 ADSLの普及などにより個人でも高速転送スピードのネットワークを使えるようになり、ブロードバンド時代と言われている。しかしどんなに早い転送スピードを安く使える時代になったからといっても、モノをネットワークで転送することはできない。モノの代わりに、物流の世界ではモノを運ぶ為の情報を高速ネットワーク環境で一元管理し、出荷指示や搬送指示等を迅速に伝えることにより、モノの移動を最適化し、効率化を進めている。一連の作業の中では機械化が進んでいるとはいえ、人が介在してモノを運ばなければならない部分は非常に多い。そのような中で物流支援システムは重要なキーファクタとなっており、いわゆるIT化が進んでいる。
 作業現場は雨水のかかる屋外や、極端に温度が低い冷蔵倉庫内など環境の非常に厳しい環境も多い。とにかく手早い作業が求められるので、情報機器を丁寧に使用するような時間的余裕もない。そんな厳しい場面でWindowsCEを搭載した端末が活躍している。
 写真1はフォークリフトに搭載された日本アビオニクス社のWindowsCE端末「プレアデス」だ。右側にはバーコードリーダが写っているが、シリアルインターフェイスで「プレアデス」に接続されており、箱や帳票のバーコードを読みとり、素早くデータ入力できるようになっている。表面は防塵防滴で取り扱いに細かい神経をはらう必要はないし、軍手を使っていても操作できるタッチパネルが搭載されている。またハードディスクを搭載していないので多少の衝撃が加わっても大丈夫だ。端末は無線LANでサーバーと接続されており、リアルタイムで双方向にデータ転送を行うことができる。出荷指示や在庫確認などが瞬時にできるようになっているわけだ。

■ 端末の集中管理がキモ

 ネットワークで接続されているWindowsCE端末の特徴で見逃せないのは端末アプリケーションの集中管理だ。システム内複数の端末上でアプリケーションが動作する場合を見てみよう。アプリケーションソフトはサーバよりダウンロード可能である。システム全体の端末アプリケーションを変更しなければならない場合でも、サーバ側のアプリケーションイメージだけを変更すれば良い。このためシステム運用コストを大幅に削減できる。1台、1台フォークリフト上の端末に個別にアプリケーションをインストールしていたのでは時間も人手もかかるが、このように一元管理されていれば、1日の業務が終わった後にサーバ側を書き換えることで瞬時に済ませることができる。

■WindowsCEってアプリケーションが大変では?

写真2:「Power Do」で作成されたクリーニング受付画面

 業務用にWindowsCE機を使う場合にひっかかるのは、「eMbedded Visual C++」や「eMbedded Visual Basic」が使えるといっても、業務用アプリケーション開発をするにはまだまだ面倒なのではないかという点だ。日本アビオニクス社の場合、2つのソリューションを準備・提案している。ひとつは簡単に画面作成および各種通信インターフェースを利用したアプリケーションを作成できるグラフィック開発ツール「Power Do」だ。このツールの特徴は『操作画面、しかも画面遷移を簡単に作成可能である』ことだ。たとえば、写真2はクリーニング店舗受付処理の例だが、オーダのボタンを押すと、右側に入力可能な種別の一覧が現れるようになっている。このような画面が一部プログラムレスでできるようになっている。しかもバーコードリーダ等I/Oまわりの部品も用意されているので、かなり楽にアプリケーションの開発ができる。

■MetaFrameによるソリューション

 もう一つのソリューションは「MetaFrame(米国Citrix社)」によるシステム構築方法だ。この方法はサーバ上でアプリケーション実行させて、WindowsCEターミナル機能を搭載した型番の「プレアデス」から操作可能にする。多少制限はあるが、Windows2000等デスクトップWindows用に作成された既存のアプリケーションでも、「プレアデス」から使えるようにすることができる。
 「MetaFrame」はWindows2000 Serverにターミナルサービス機能をアドオンする為のもので、ターミナル側には「ICAクライアント」を搭載する。あれ?そのサービス機能はもともとWindows2000 serverについているのでは?と思う人も多いと思うが、実はマイクロソフトのWindows2000 Serverに搭載されているターミナルサービス機能は、Citrix社がマイクロソフトに「MetaFrame」のサブセットを提供して実現されている。「MetaFrame」を追加しフルセット仕様にすることにより、いくつかの機能を拡張することができる。一例であるが、「MetaFrame」によりターミナルに付いているCOMポートのサポートを追加することができる。WindowsCEターミナルのCOMポートにバーコードリーダが接続されていれば、バーコードリーダ入力を使ったアプリケーションでも、サーバー上で実行できるというわけだ。この他に「MetaFrame」により追加される機能としては、仮想COMポートによるPIO(デジタル入出力)機能がある。

■まとめ

 非常に簡単ではあるが、業務用途分野でのWindowsCE応用事例を紹介した。WindowsCEというと、ついついパーソナル用途中心のPocketPCやHandheld PCを思い浮かべてしまうのだが、こんなところでも活躍している。2002年もますますWindowsCEの応用範囲は広がって行くに違いない。意外なところでWindowsCEにお目にかかることもでてくるかもしれない。どこかにWindowsCEが使われていないか調べてみると、おもしろいかもしれないですよ。



フォークリフトにもWindowsCE端末 日本アビオニクス社「プレアデス」

Reported by かっぴー


Last-modified: Sun, 24 May 2009 23:45:30 JST (3104d)