■ はじめに 2001年12月15日に発売された hp jornada568 は、64MB メモリを搭載し、付属の液晶カバーを外した重さが 179g と軽量でスタイリッシュな Pocket PC 2002 日本語版 PDA だ。しかし、その反面、拡張スロットが CF TypeI と日本でメジャーな CF TypeII スロットではない点が惜しまれた。 また同時期に登場した東芝 GENIO e550X が CF TypeII スロット+SDIO/MMCスロットの2スロットを搭載していた他、先週カシオが発表した CASSIOPEIA E-2000 や、NEC が発売する予定の Pocket Gear MC/PG5000 も CF TypeII スロット + SDメモリスロットの2スロット搭載機となっている。これに比べると、どうしても hp jornada568 は拡張性の点で見劣りしてしまう。 そんな hp jornada568 のために、hp が自ら発売するアクセサリが、「hp jornada568用 SD/MMCスロット付標準バッテリ F2913#ABA」だ。標準小売価格は、\9,500 となっている。今回は、hp 様のご好意により、短期間だがこの SD/MMCスロット付標準バッテリをお借りすることができたので、この場で紹介していきたい。 hp jornada568 用の SD/MMCスロットは、東芝 GENIO e550X とは異なり、SDメモリカード専用だ。SDメモリカード特有のセキュリティ機能にも対応しない。 ■ 「SD/MMCスロット付標準バッテリ」って? さて、先ほどから「SD/MMCスロット付標準バッテリ」と書いているが、このアクセサリはなんでこんなに長くて分かりにくい名称となっているのだろうか? 単なる SD/MMCスロットなのではないのか? まずは、そこから見ていこう。  | SD/MMCスロット付標準バッテリは 標準バッテリを外して装着する |
|  | | これが装着後のイメージ |
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写真でも分かりにくいかもしれないが、この SD/MMCスロットは、jornada568 の標準バッテリを取り外して、写真のようにセットする。そう、標準バッテリと交換する形になるわけだ。というわけで、このアクセサリは、バッテリそのものでもあるわけだ。こうした理由で、「SD/MMCスロット付標準バッテリ」と呼ばれている。 ■ SD/MMCスロット付標準バッテリ概観 それでは、SD/MMCスロット付標準バッテリを、jornada568 に装着したところをみてみよう。ご覧のとおり、SD/MMCスロットの部分は非常に薄く、わずかに本体から出っ張る程度だ。しかし、筐体の色が黒く、シルバーメタリックな本体に装着すると何となくしっくりこない。どうして、こんなことになってしまったのか分からないが、これは少々残念だ。 SDメモリを挿入したところも、下記に紹介するが、挿入時にメモリの表面を手前に向ける形となっている。押し込むとロックされる。取り外すときにはもう一度メモリのお尻を押し込んでやると、メモリが飛び出してくるというギミックだ。非常に分かりやすい作りといえる。マニュアルを見なくても、メモリの挿入に関しては、いきなり使うことができた。 また、この SD/MMCスロット付標準バッテリを背負った状態で、本体付属の CF TypeI スロットも利用することが可能だ。これで、あなたの jornada568 も2スロットマシンだ。おまけで、パッケージの写真も掲載しておく。  | | 非常に薄い |
|  | 標準バッテリの場合は平らになるが このスロットをつけるとわずかに 出っ張る |
|  | | この向きにSDメモリカードを入れる |
|  | これがSD/MMCスロット付標準 バッテリのパッケージ 全世界共通パッケージだ |
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■ 初回利用時に注意、SD/MMCスロットの認識に別途ドライバが必要 さて、この SD/MMCスロット付メモリスロットだが、マニュアルを読めば分かるのだが、実は利用の前に、jornada568 にドライバをインストールする必要がある。付属の CD-ROM の中で、日本語版を選択してインストールすればよいのだが、ドライバが署名されていないなどのメッセージも出るため、少々面倒といえば面倒だ。この hp jornada568 では、付属の CF TypeI 対応カメラモジュールのドライバをあらかじめ ROM に内蔵している。この SD/MMCスロットも本体出荷時には発売が決定していたのだから、こちらのドライバもあらかじめ ROM に内蔵しておいてくれるとよかった。このことは少々残念だ。  | HP MMC Device Driver の インストールが必要 |
|  | | 「メモリカード」が見える |
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というわけで、この HP MMCドライバをインストールした後、本体をリセットすると無事に、スロットに入れた SD/MMC メモリカードを認識するようになる。実際に東芝製の 128MB SDメモリカードを挿入してみたが無事に認識された。 ■ 読み込みはかなり優秀だが、SDカードへの書き込みはかなり遅い ところで、hp jornada568 と、この SD/MMCスロット付標準バッテリを組み合わせた場合の、メモリカードへのアクセス性能はどの程度のものだろうか? WindowsCE FAN のメモリベンチマーク WisBench1.00を利用して、測定してみたところ、東芝 128MB のメモリカードに対するアクセス速度は、読み取りが 420前後、書き込みが 130,000前後と、内蔵メモリ並みに高性能な読み取りに比べ、圧倒的に書き込みが遅いことが判明した。SD メモリへのファイルコピーは、パソコン用の SDメモリカードアダプタなどを利用して転送する方がよさそうだ。 書き込みが CASSIOPEIA E-700 のパッチあて前に比べても 10倍遅いと、かなり性能に影響がありそうだが、SDメモリカードにプログラムや、MP3 ファイルなどをいれて利用する際には、書き込み速度よりも、読み出し速度の方が圧倒的に使い勝手に影響する。その意味では、SDメモリの読み込み速度が、2002年1月現在では、WindowsCE 機一速いのはよいことなのかもしれない。 また、かつて、SDメモリスロットを内蔵した CASSIOPEIA E-700 では、発売後 3ヶ月後くらいに Update プログラムがリリースされ、これを適用することで SDメモリカードへの書き込み速度が高速化した経緯がある。hp jornada568 でも、SDメモリカードへの書き込み高速化パッチがでる可能性もあるだろう。余りにもベンチマークの結果が悲惨なため、対応することだけでも早く表明されるとよいと思う。 ■ 終わりに シルバーメタリックで、エレガントな本体デザインに惹かれて hp jornada568 を手に入れたユーザーにとっては、正直なところこの SD/MMCスロット付標準バッテリのデザインはそもそもアンマッチなカラーリングからして残念だ。 しかし、このアクセサリを使うことで、hp jornada568 に SD/MMCスロットを増設することができ、同時に 2スロット使えるようになるのもまた魅力である。元々 64MB を内蔵する hp jornada568 だけにプログラムのインストールなどで内蔵メモリが足らなくなることはまずないだろうが、地図ファイルや、本体に付属してくる翻訳ソフトの辞書など、拡張メモリを利用したいアプリケーションも少なくない。SDメモリカードの読み取りが速いことを考えれば、地図や辞書データを格納しても十分快適に利用できると思う。
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