ソニー CLIE PEG-T650C ロードテスト第3回 PEG-NR70Vとの比較

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2002年6月23日(日)版

ソニー CLIE PEG-T650C ロードテスト第3回 PEG-NR70Vとの比較

Palm互換機 ソニー CLIE T650C スタンダードなスタイルに外付け小型キーボードという発想

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本稿は、「Palm互換機 ソニー CLIE T650C スタンダードなスタイルに外付け小型キーボードという発想 ソニー CLIE PEG-T650C ロードテスト第1回 パッケージ内容」からの続きです。

■ はじめに

 現状でも競争力の高いデバイスであったCLIE「T」シリーズに最新バージョンの「CLIE PEG-T650C」が投入された。CPUは大幅アップの66MHzになり、音楽再生機能も加わり,
さらに魅力を増すこととなった。

 本インプレッションでは、ベンチマーキングや「PEG-NR70V」とのアプリの使い勝手の比較により、この新型CLIE PEG-T650Cの強みについて検証していきたい。

■ まずベンチマーキングを実施

 Palm用のCPU速度ベンチマークソフト「Benchmark2.0」を用いてNR70Vおよび「PEG-T650C」のベンチマークを実施した。結果は以下のとおり。このベンチマークソフトで、グラフの一番下に「This unit」と書かれている棒 (310% との表記付) が、「PEG-T650C」のものだ。ここには掲載していないが、同じ 66MHz の CPU を搭載した「CLIE PEG-NR70V」でも同等の結果となった。

 あくまでも、CPU速度のみのベンチマークである。Palm の場合、ソフトウェアがシンプルであるため、旧機種がめったやたらと遅いと感じるわけではないが、筆者が愛用していた「PalmVx (20MHz)」に比べると、3倍近い速度差がある。PalmVx の 160 x 160 という低解像度な画面に比べると、320 x 320 のハイレゾ画面を利用するには、それなりの CPUパフォーマンスが必要になると言うことだ。

PEG-T650Cのベンチ結果。「This unit」の部分が結果だ。

本結果はPEG-T650Cであるが、NR70Vでもほぼ同等の結果であった。
筆者が以前使用していたPalmVx(20MHz)とは3倍近い開きが出た。

■ アプリケーションの使い勝手はどうか?

 次に「PEG-NR70V」と、アプリケーションの使い勝手を比べてみる。当然のことながら動作速度はほとんど変わらない。 ただ、ソフトウエアグラフィティを採用し、液晶全体で表示することのできる「PEG-NR70V」の方が、見やすく使い勝手は良い。

 下記はPalmware開発の第一人者山田達司さんのJ-DOCを開いたところだ。

PEG-T650Cで表示した結果。
ハイレゾのおかげで、これでも十分使いやすい
PEG-NR70Vで表示した結果。
320x480の威力はスゴイ、の一言に尽きる

 一目瞭然だと思うが、「PEG-NR70V」の全面表示は相当な魅力だ。

■ 「CLIE PEG-T650」と「CLIE PEG-NR70V」、総合的にはどうなの?

 まだ使い始めて1週間くらいなのであるが、今のところでの「CLIE PEG-T650C」と「CLIE PEG-NR70V」の違いを報告したい。まずは、下記の写真をみていただきたい。

左がNR70Vで、右がT650C
上が T650C、下が NR70V

 まず、以前レビューとしてお伝えした「CLIE PEG-NR70V」は、Palmwareの可能性を最大限引き上げたデバイスである。内蔵カメラ、ソフトウエアグラフィティ、大型液晶、ハードウエア、内蔵キーボードなどPalmを知らない人でも、気軽にPalmでマルチメディアを楽しむことができる。一方で使い勝手や携帯性などPalmらしさを失ってしまった。写真を見ると、一見「PEG-NR70V」が大きいのは、上部の蝶つがい(カメラ内蔵部)だけのような気がするが、比べてみた印象は、「PEG-NR70V」の方がかなり大きい。「PEG-NR70V」は、まず胸のポケットに気軽に入るというイメージではない(実際にいれると、こんな感じ)。一方の「PEG-T650C」は軽々胸のポケットに入る。

 一方、「PEG-T650C」はPalmを使いこなせる人にとっては必要かつ十分以上の機能を備えたデバイスであり、これだけコンパクトなボディにPIMはもとより「PEG-NR70V」に近い機能を盛り込んで、実売価格として4万円を切る価格で提供されているから驚きである。

 まとめてみると、「PEG-T650C」と「PEG-NR70V」の違いは、こんな感じだ。(PEG-T650C側からの視点でまとめてみた)

  • 実売レベルで約2万円安い
  • 外付けキーボードは使いやすい
  • CLIE PEG-NR70V の 320 x 480 は広い
  • 内蔵カメラがない。
  • 速度は同じくらい
  • 非常に小型感がある。
  • ジョグダイヤルが使いにくい

 ちなみに筆者が選んだのは、「CLIE PEG-NR70V」だ。2万円の価格差を考えても、内蔵カメラの魅力と、全画面表示時のパワフルさが気に入った。もっとも「PEG-T650C」も十分に優れたデバイスだ。利用するソフトによっては、「320x480」に対応していないものも多いので、すぐに使えるデバイスとしての魅力は「PEG-T650C」にある。

■ バージョンアップについて

 前回、「CLIE PEG-NR70V」のレビューでも少し触れたが、この夏 Palm は、PalmOS4.1 から PalmOS5 にバージョンアップする。最大の特徴は、これまで使われていた Dragonballチップから、ARM系チップへの移行だ。これを考えると、Pocket PC で「MIPS系CPU」を採用したマシンが、Pocket PC 2002 に移行できなかったように、「PEG-NR70V」にせよ、「PEG-T650C」にせよ、現在魅力的なデバイスながら、PalmOS5 に移行できない可能性は強い。
 もっとも、これは現在市販されているすべての Palm デバイスにいえることだ。

 一方で、バージョンアップできないことのデメリットはほとんどないとも言える。PalmOS5 では、Palmware の ARMネイティブ対応は見送られているからだ。新しい PalmOS5 用に作られる専用ソフトは多くは登場せず、ほとんどの Palmware が、現状の Palm/互換機と共通のソフトウェアになろう。
 こうした点を気にするのであれば、現状の「CLIE PEG-NR70V」も「CLIE PEG-T650C」も見送りということになるが、ショップではどちらの機種も、順調に販売を伸ばしているようである。ユーザーにとって、PDA の OS というものは、未だ二の次で、メーカーのブランドや、本体のデザインのかっこよさ、といったものが第一義にあるような気がする。

 今後のレビューについて、何か希望があれば、ぜひ、わたくしとうどうまで、ご連絡をいただきたい。



ソニー CLIE PEG-T650C ロードテスト第3回 PEG-NR70Vとの比較

Reported by とうどう


Last-modified: Sun, 24 May 2009 23:45:30 JST (3100d)