【詳報】 GENIO e550GX / GENIO e550GS 気になる新製品の詳細をお届け

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2002年10月31日(木)版

【詳報】 GENIO e550GX / GENIO e550GS 気になる新製品の詳細をお届け

XScale PXA400MHz、CF/SD 2スロットはそのままに128MB内蔵メモリモデルも登場

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GENIO e550GX / GENIO e550GS

■ はじめに

 さて、本日すでにお知らせしたように、東芝から新しい Pocket PC 2002 端末が2種類(3種類)発表された。「GENIO e550GX」「GENIO e550GS」と名づけられた新製品は、2機種とも最新の Intel XScale PXA250 400MHz (CLIE PEG-NX70V の2倍) プロセッサ、4インチ反射型液晶パネル、CF TypeII/SDIO の2スロット搭載など、同社がすでに発売中の「GENIO e550G」シリーズの特徴をすべて引き継いでおり、名前が示すとおり「GENIO e550G」シリーズの後継機に位置づけられるものだ。

 本稿では、速報でカバーできなかったこの2機種の特徴や、「GENIO e」シリーズの流れなどにも光をあてながら、本製品の特徴を浮かび上がらせてみたい。

■ Pocket PC 市場初のマイナーバージョンアップ?

 まず、今回発表された新機種の基本スペックを簡単におさらいしておこう。

◎ GENIO e550GX, GENIO e550GS 基本スペック

CPU: 400MHz 駆動のIntel XScale PXA250 アプリケーションプロセッサ
OS: Microsoft Pocket PC 2002 (WindowsCE 3.0ベース)
RAM: 128MB (GX) / 64MB (GS)
ROM: 32MB (書き換え可能なフラッシュメモリ)
LCD: 240 x 320 6万色対応4.0型反射型ポリシリコン液晶
スロット: CF TypeII、SDIO
駆動時間: 9時間(400MHz)〜15時間(100MHz)
重量: 約170g
備考: 音楽用リモコンヘッドホン付属 (GS)

 いずれの性能も、2002年10月現在の Pocket PC 2002 市場ではトップクラスの性能となっていることがお分かりいただけると思う。トップクラスという意味は、体感速度や、軽さ、液晶の画質、価格、バッテリ駆動時間などのさまざまな観点でみた時に、それらがハイエンドにバランスよく作りこまれているという意味だ。個々のスペック項目を、細かく見ていけば、この東芝 GENIO e550GX, GSを超えるものは見つけられないことはない。しかし、トータルとして、これだけバランスよくトップクラスの仕様を詰め込んである Pocket PC 2002 デバイスは他では見つからない。その分、価格が安価な GENIO e550GS でも同社Webサイトの直販価格が \59,800 と、現在市場最低価格のNTTドコモ「musea(ミュゼア)」の4万円前後と比べると少々高価だが、ほぼスペックが同じ「GENIO e550G」と「musea」で使い込んで比べてみると、その2万円弱の価格差なら、十分納得して GENIO e550GS が購入できると思う。評価のポイントはいろいろあるとは思うが、筆者の場合は、バッテリでの長時間駆動と、CF TypeII/SDIOの2スロット対応が納得できるポイントだ。

 それでは、こうした基本スペックの上に作りこまれたデバイスの個性を見ていこう。

GENIO e550GX

■ PDA市場最強スペックの「GENIO e550GX」

 「GENIO e550GX」は、Pocket PC 2002端末としては初めて 128MB メモリを内蔵した製品だ。実際 PDA として使い込んだときに Pocket PC の持つ 64MB という内蔵メモリはそうそういっぱいになるものではない。Palm や CLIE などの 16MB という内蔵メモリからするとメモリの利用方法では Palm OS が Pocket PC より有利だが、64MB を内蔵する Pocket PC 2002 端末のメモリは、Palm 等の 2倍以上の能力を持っているといってよい。

 「GENIO e550GX」では、Pocket PC 2002 では割と普通のスペックである内蔵メモリ 64MB の2倍、128MBがメモリに詰め込まれている。単純な計算でいうと、64MB のSDメモリカード1枚分本体に内蔵されているわけで、従来だとメモリカードに入れていた大容量の英和辞書や、ビデオ映像、好きなアルバムのMP3/WMAデータなども本体メモリの中に入れ込める。WindowsCE FANのソフトウェアライブラリ をみると、最近は、Pocket PC用の電子書籍や、本格的なゲームソフトが数多く登場してきている。通常は、数本入れておけば十分楽しめるものだが、GENIO e550GX なら、10本単位で本体メモリにインストールできそうだ。
 そして、さらにあまり使わないアプリケーションを SDメモリカード等にいれて持ち運ぶようにすれば、常時メモリカードを利用しなくてもよい分、バッテリ持続時間的にもかなり有利になりそうだ。

 本体メモリが 128MB と大きい分、バンドルアプリも「GENIO e550X」は、後述する「GENIO e550GS」より豊富に付属している。基本的には「GENIO e550G」にバンドルされたソフトがすべて引き継がれた形となっている。

 また、Pocket PC 2002 の優れたインターネット接続機能を活用したい人なら、無線LAN ホットスポットを活用して、多くのホームページの情報をキャッシュに入れて持ち運んだり、何百通ものメールを本体メモリに入れたまま持ち運ぶことができるだろう。

 以上が、GENIO e550GXの最大の特長である「128MB」内蔵メモリだ。いろいろ書いてみたが、GENIO e550G を「ハイスペックさ」「性能的最強さ」で選んだユーザーなら、この「128MB」内蔵メモリマシンの魅力は、多くの言葉を必要としないだろう。ちなみに、これまですべての GENIO e550シリーズを購入してきた筆者もその一人で、本リリースをみた瞬間に「GXを買おう」と思っている。(^^; というか、今すぐほしい。正直、この気持ちに価格はあまり関係ないのだが、「GENIO e550GX」は現行機種とほぼ同等の価格 (東芝Web直販サイトで \69,800) が予定されている。

 GENIO e550Gシリーズのようなハイエンド製品の場合、ハイエンドユーザーの心をうまくくすぐるスペック決めは、その後の口コミも含めると、その商品の売れ行きさえ決めてしまうだろう。その意味で、「GENIO e550GX」は、このまま今年のボーナス商戦の台風の目になりそうだ。正直、この製品を見るまでは、今年の冬のボーナス商戦は、Palm OS5搭載PDA の大攻勢と、ザウルスシリーズの新機種の方が面白いのではないかと思っていたが、トータルセールスでは、Pocket PC の大躍進というシナリオの方が確率が高そうである。

GENIO e550GS

■ 普及価格でエンタメをカバーする「GENIO e550GS」

 一方の「GENIO e550GS」は、従来機種の「GENIO e550G」とほぼ同等のスペックに、音楽再生用のリモコン付きヘッドホンを標準添付した製品だ。ちなみに、意識したのか、意識していないのかは分からないが、XScale PXA250 200MHz、Palm OS5を搭載した「CLIE PEG-NX70V」と同価格帯となる \59,800(同社Web直販サイトの場合)となる。現行機種の「GENIO e550G」は、\69,800 に、リモコン付きヘッドホンが \4,000 だったので、実質5ヶ月で \14,000 も値下げしたことになる。

 注意したい点として、「GENIO e550GS」では、「GENIO e550G」に含まれていたいくつかのバンドルアプリケーションがカットされている。カットされているのは、Personal Java に対応した「i-navigator」「i-enabler」、Microsft Office シリーズの文書ファイルビューワー「ClearVue Office」、地図ソフトの「モバイルアトラス for TOSHIBA」、辞書ソフトの辞スパ、「JRトラベルナビゲータ」だ。いずれも、後から購入することができるソフトが多いため、必要に応じて揃えていけばいいが、Excel、Word、PowerPointの文書ファイルをなかなかみごとに表示することができる「ClearVue Office」だけは、現時点で購入することができないので注意。「GX」を選ぶ判断ポイントになりそうだ。

 こうしたソフトがほしくて、かつできるだけ安価に「GENIO e550G」シリーズを入手したい人は、最近店頭で実売価格が6万円程度になってきている現行機種の「GENIO e550G」を購入する手もあるかもしれない。

本体サイドパネルがシルバー




■ 「GENIO e550GX」,「GENIO e550GS」両機種に共通する改善点

 以上、「GX」「GS」の特徴にスポットをあてて紹介してきた。
 この他に「GENIO e550GX」「GENIO e550GS」が、「GEINO e550G」から共通してバージョンアップしたポイントがいくつかあるので、ご紹介しておこう。

◎ 本体カラーは、よりメタリック感を強調したものに

 「GENIO e550GX」「GENIO e550GS」では、本体カラーが、現行の「GENIO e550G」より明るく、メタリック感を強調したものに変更された。これは、東芝によると、現在の GENIO e550G ユーザーが感じている「GENIO e550G」のイメージを反映したものだという。実機を見たわけではないのでなんともいえないのだが、本体カラーに明るいシルバーを採用するのは最近のノートパソコン等でも流行っている気がするし、PDAがビジネスシーンでも珍しくなくなってきた今日にはいい選択なのではないかと思う。

 なお「GENIO e550GX」は、サイドパネルが「GENIO e550G」と同じ黒で締まった印象を演出しているが、「GENIO e550GS」はここにシルバーを選択し、より洗練されたイメージを強調している。

◎ Pocket PC初 SD Audio に対応

 最近流行の小型シリコンオーディオプレーヤーには、SDメモリカードや、メモリスティックが利用されている。このうち、東芝や、松下電器が発売しているシリコンオーディオプレーヤーで採用しているメモリカードが SDメモリカードで、その規格が「SD Audio」と呼ばれる改革だ。

 既存のプレーヤー用の音楽データを持っている人はもちろん、それを面倒な変換なしにGENIO e550GX、GSシリーズで利用することができるし、トヨタが提供する「G-BOOK」情報サービスでも、この形式が利用されることが決まっている。ファミリーマートや、スリーエフ、サンクス、サークルKなどにおかれた「E-TOWER」と呼ばれるキオスク端末で、この「SD Audio」形式の音楽を購入することができる。ドライブ中に立ち寄ったコンビニで、BGM をゲットすることもできるようになるわけで、Pocket PC の活用の場所を新たに広げる可能性を持っている。

◎ 30種類以上のバンドルソフト、体験版ソフト

 「GENIO e550GX」と「GENIO e550GS」では、主要なバンドルソフトの本数が若干異なるという点を紹介したが、「GENIO e550GS」でも、本体にバンドルされているバンドル版ソフト、体験版ソフトは約30種類と言う。

 昔のPDAといえば、予定表と、アドレス帳のパソコンとの同期がどうとか、予定表の使い勝手がどうとか言っていたものだが、今では、インターネット上のメールや、Web巡回、電子書籍や、音楽、ビデオ再生など、従来では考えられなかったような用途も重要となってきている。こうした様々なアプリケーションが、GENIO e550GX、GENIO e550GS で動作検証した上で、バンドルされているのは、基本的なことだが、やはりありがたいことだ。

XScale PXA250 で 100MHz 動作をサポート(?)

 「GENIO e550GX」「GENIO e550GS」が利用しているIntel XScale PXA250 アプリケーションプロセッサの大きな特徴のひとつは、リセットなしにいつでも CPUクロックを変更できることだ。従来品は、「オート」と「200MHz」「400MHz」が選択できたが、さらに低速だが、バッテリ寿命を延ばす「100MHz」駆動がサポートされたようだ。これは発売後に、実機で確認してまたレポートしたい。

◎ 純正アクセサリが店頭に豊富に並んでいる

 ショップによく人なら気が付いているのではないかと思うが、最近店頭では、東芝 GENIO e550 シリーズのアクセサリを豊富に見かけることができる。iPAQ 用や、カシオ用などのアクセサリは比較的店頭に多く並んでいたが、東芝製品は同社の直販サイトGENIO e 公式サイトで購入するしかなかった。それが、最近店頭で東芝製のアクセサリをすぐに購入することができる。PDA の場合、便利さに慣れると急速に利用時間が増え、それに伴って、いろいろな要望がでてくる。バッテリがすぐになくなるなら、軽量のACアダプタや、大容量バッテリがほしくなるし、文字を入力する機会が多いなら、外付けキーボードがほしい。無線LAN を使うためにPCカード拡張パックがほしくなるかもしれない。

 こんなときに店頭に商品が並んでいれば、ほしいときにすぐに商品を購入して、その場で持ち帰ることができる。直接「GENIO e550GX」「GENIO e550GS」の特長ではないのだが、他社製のPDAでなく、東芝製のPDAを選択する際のメリットのひとつになると思う。

 ちなみに、惜しむらくは残念なのは、東芝純正アクセサリのパッケージだ。どれも、無骨な不透明なダンボールにはいって積まれているので、にわかにどれがほしいか分からないばかりか、ウインドウショッピングで「お、これ便利そうじゃん」と思うことがない。HP(コンパック)の iPAQ Pocket PC 純正アクセサリなどは、その点透明なクリアケースに入れられて、大きさや質感、はじめてみて、どう便利そうかまで、直感的に感じることができる。こうしたユーザーにとってメリットのあるアクセサリの展示、販売方法はぜひ見習ってもらいたいところだ。

■ まとめ

 以上、東芝の新製品「GENIO e550GX」「GENIO e550GS」について、少し突っ込んだ紹介を行った。この製品発表をみて驚くのは、現行機種の発売からわずか5ヶ月、しかも、売れ行き絶好調なときに、さっさと後継機を投入してしまう同社の攻めの姿勢だろう。
 同社がリリースにあわせて公表した「BCNランキング(コンピュータ・ニュース社、国内12社POSデータ)」を東芝で集計したデータによれば、2002年上半期の Pocket PC 2002機中の過半数以上のシェアを東芝 GENIO e550 シリーズが獲得しているという。実際店頭でのマインドシェア、さきほどのアクセサリの充実振りを見ても、おそらく大きく外れた数字ではないはずだ。
 そして、今回の新製品を見ると、Pocket PC 2002 の同業他社はよほど頑張らないと、東芝が独走態勢に入ってしまいそうな心配すらしてしまう。

 今回事実上の低価格化を計った「GENOI e550GS」では、すでにターゲットは他社の Pocket PC 2002 ではなく、より低価格な Palm互換機、特に CLIE の撃墜体制だと言っても過言ではない。ソニーと言う桁違いの高ブランドイメージと、2万円台から製品が買えるソニー CLIE の低価格ラインナップを考えたときに、その迎撃は簡単なことではない。

 しかし、その「CLIE」が Palm OS5 でインターネット接続機能や、無線LAN対応を歌ってきたときに、その市場にすでに君臨しているのが Pocket PC 2002 という製品群だ。価格的に、4万円前後の NTTドコモの「musea」や、今後発表されるであろう ASUS の Pocket PC 2002 を考えると、この冬のボーナス商戦は、4万円〜6万円台の PDA 市場は、大混戦が必死だ。これに、ザウルスがキーボード付きLinuxザウルスを投入してきたら、と思うと本当にこの冬のボーナス商戦からは目が離せない。



【詳報】 GENIO e550GX / GENIO e550GS 気になる新製品の詳細をお届け

Reported by けいたん


Last-modified: Sun, 24 May 2009 23:45:30 JST (3099d)