定員上限に達し、プレミアム会員の受付を一時停止。納期は再び悪化と拡大基調のブックスキャン (BOOKSCAN)

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定員上限に達し、プレミアム会員の受付を一時停止。納期は再び悪化と拡大基調のブックスキャン (BOOKSCAN)

■トピックスの内容

前回のブックスキャンレポートから、1ヶ月ほど経過した。ブックスキャン(BOOKSCAN) は、100円 PDF化代行サービス。“ 1冊 100円 ” というわかりやすい価格と、先行他社に比べて 1/10 程度で提供される気軽さと、iPad 等の PDFを読みやすいデバイスの登場、個人用ネットワークストレージの拡大とともに一気にブレイクした感のある業態だ。別途の機会に紹介したいが、ブックスキャン (BOOKSCAN) の業態を真似たサービスも全国で誕生している。1冊 90円とか、地方でも持ち込みしやすい場所にあったりと、各サービス毎に味付けをしているが、ほとんど隠し味のようなもので、先行するブックスキャンのコピーサービスであると言い切っても間違いではないと思う。

Twitter で「bookscan」というキーワードで検索していただくと分かるのだが、ほとんど毎日新規のユーザーアカウントがこのサービスについてつぶやいており、認知度がどんどん広がっている様子が分かる。一方で、このサービスがメジャーになるのに致命的な課題は、著作権法上の課題だ。現行法では、他人であるブックスキャンにスキャンを依頼するのは、私的利用の範囲を超えており、厳密に言えば違法性があると判断されてもおおかしくない (正確には判例ができないと分からない) と指摘されている。一方で、ブックススキャン自身もこれを認識しており、サービスとしてはユーザーにこの許諾をとったものだけを送るように呼びかけるとともに、このビジネススキームでは、スキャン後の書籍は廃棄することから、中古販売やオークションでの書籍販売と比べると、著作権者や、著作権者とほぼ同一のステークスホルダーである出版社にとっては利益があると主張していて、これもおそらく正しい。

Twitter上でこれだけ様々なユーザーの話題に上っていながら、サービスを利用したというユーザーが登場しないのは珍しい。むしろ、著作権上の課題を解決してほしい、不安だという声がなかなか無くならない。このあたりが、このブックスキャンというビジネス領域に大企業が参入する防壁になっているとともに、アングラなイメージが消えない部分だろう。このビジネスに参入した「株式会社ブックスキャン」を応援したい気持ちとともに、何となく彼らが先行投資を十分に回収し追えるまでは、このままでもいいのではないか、と思ったりする傍観者としての自分もいる感じだ。

■ 現在の納期は、再び3ヶ月超

ということで、ブックスキャンの7月28日のサービス開始以来の納期遷移だ。

前回紹介した際に、納期が2ヶ月短縮されたが、それ以降ジリジリと納期が延び続けている。それでも、登場当初の急激な待ち日数の増加に比べればかなり緩やかだ。プレミアムサービスという短納期サービスを開始したにもかかわらず、この程度の納期の遅れで済んでいるのは、ブックスキャン自身の設備増強や、作業員のスキル向上などが考えられる。ベースが 3ヶ月待ちになっているのが不健全な気はするのだが、これだけ薄利多売のサービスであるから、右肩下がりになっていくようだと、人員や設備の余剰が問題になり、彼らのビジネスを圧迫してしまうだろうことが心配されるだけに、マクロで見ると健全。後は溜まったバックオーダーをどのような形で消化していくのか、課題となっているように見受けられる。

■ 業界団体は静観?

先月、「日本文芸家協会の三田誠広・副理事長は『営利目的の業者が利益を得るのは、たとえ私的複製でも複製権の侵害』と主張する。」(YOMIURI ONLINE) というコメントが発表された。しかし、その後、ブックスキャンや同様の業態を批判する声は起きず、むしろ、出版社自身の手がける電子書籍、電子出版ビジネスが加速しているように見える。もちろん、ブックスキャンのおかげというよりは、iPad や、Googleエディションの影響が大きいのだが、少なくとも後ろ向きの自体は起きていないようで何よりだ。

■ 関連リンク

■ 参考リンク

2010年4月の 1冊 100円でPDF化代行サービスのブックスキャン (BOOKSCAN) 登場以来、盛り上がってきている電子書籍化 (PDF化) 代行サービス。ということで、興味のある方はぜひバックナンバーもどうぞ。


定員上限に達し、プレミアム会員の受付を一時停止。納期は再び悪化と拡大基調のブックスキャン (BOOKSCAN)


Last-modified: Sun, 24 May 2009 23:45:30 JST (3101d)